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オールスター後の1ヵ月に最もホームランを打っているのは…。大谷翔平はトップ10に入らず

宇根夏樹ベースボール・ライター
ジョーイ・ボトー(シンシナティ・レッズ)Aug 11, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 後半戦が始まり、ちょうど1ヵ月が経った。このスパン(7月16日~8月15日)に最も多くのホームランを打ったのは、15本のジョーイ・ボトー(シンシナティ・レッズ)だ。通算本塁打は300本を超え、シーズン35本以上は2度あるものの、7月に11本のホームラン――7月20日~30日の10試合で10本――を打つまで、月間二桁はキャリアを通して一度もなかった。年齢は、来月で38歳。まさに驚異だ。

 ボトーより4本少ないものの、ア・リーグでは最多のジョージ・スプリンガー(トロント・ブルージェイズ)は、遅れを取り戻そうとするのかのように打ちまくった。1月に6年1億5000万ドルの大型契約で入団しながら、相次ぐ故障により、シーズン初出場は4月28日。さらに、そこから4試合に出場しただけで、再び1ヵ月半以上の離脱を余儀なくされた。ただ、8月14日にジャンプしてフライを捕ろうと試み、センターのフェンスにぶつかって左の足首を痛めた。まだ状況はわからないが、またしても故障者リストに入ることになるかもしれない。

筆者作成
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 どちらのリーグも、このスパンのトップ10は7本塁打以上を記録している。このなかに、それぞれのリーグでシーズン本塁打1位の2人、39本の大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)と33本のフェルナンド・タティースJr.(サンディエゴ・パドレス)は入っていない。とはいえ、大谷はこのスパンに6本。前半戦を終えた時点と比べ、2位のブラディミール・ゲレーロJr.(ブルージェイズ)との差は1本しか縮まっていない。5本差→4本差だ。タティースJr.はこのスパンに5本。7月末に故障者リストへ入ったが、8月15日に復帰し、本来の遊撃ではなくライトを守り、2打席目と3打席目に続けてホームランを打った。こちらは、ボトーとアダム・デュボール(アトランタ・ブレーブス)に7本差をつけている。

 また、エンジェルスでは、6月13日にシアトル・マリナーズから移籍したジャック・メイフィールドが、このスパンに大谷を1本上回るホームランを記録した。前半戦は、両チームの計18試合で0本(とAAAの計16試合で5本)だった。一方、前半戦に、エンジェルスで大谷に次ぐ22本塁打のジャレッド・ウォルシュは、後半戦に入ってから15試合に出場し(7月28日~8月10日は故障者リスト入り)、ホームランをまったく打っていない。

 なお、このスパンに7本塁打以上は、リストの計30人以外にもいる。違うリーグへ移籍した2人だ。ホルヘ・ソレーアは、カンザスシティ・ロイヤルズで6本とブレーブスで3本の計9本を記録している。アンソニー・リゾーは、シカゴ・カブスで4本とニューヨーク・ヤンキースで3本の計7本だ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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