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6投手の「継投ノーヒット・ノーラン」はNPB史上最多の人数。MLBの最多は何人!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
ケビン・ミルウッド MAY 3, 2012(写真:ロイター/アフロ)

 8月15日、福岡ソフトバンク・ホークスの6投手が、北海道日本ハム・ファイターズを相手に継投ノーヒット・ノーランを達成した。カーター・スチュワートJr.が5イニングを投げた後、津森宥紀(0.2イニング)と嘉弥真新也(0.1イニング)を挟み、松本裕樹板東湧梧甲斐野央が1イニングずつを封じた。

 継投によるノーヒット・ノーランは、NPB史上5度目だ。2リーグ制になってから、レギュラーシーズンで達成された2度は、いずれも福岡ソフトバンクが相手だった。その他は、1リーグ時代に2度、日本シリーズで1度だ。

 今回の6投手は、史上最多の人数。これまでは、福岡ソフトバンクが封じられた2試合の、それぞれ3投手が最も多かった。

 一方、メジャーリーグの継投ノーヒット・ノーランは、二桁を数える。ノーヒットながら点を取られた試合を含めれば、ナ・リーグとア・リーグで計15度に上る。

 ただ、人数の最多は、こちらも6投手だ。2003年6月11日と2012年6月8日。1度目は、ヒューストン・アストロズのロイ・オースワルトが股関節を痛めて1イニングで降板し、そこから、ピーター・ムンロ(2.2イニング)、カーク・サーロース(1.1イニング)、ブラッド・リッジ(2イニング)、オクタビオ・ドーテル(1イニング)、ビリー・ワグナー(1イニング)の5人がつないだ。2度目は、シアトル・マリナーズの6投手、ケビン・ミルウッド(6イニング)、チャーリー・ファーブッシュ(0.2イニング)、スティーブン・プライヤー(0.1イニング)、ルーカス・リトキー(0.1イニング)、ブランドン・リーグ(0.2イニング)、トム・ウィルヘルムセン(1イニング)によるものだ。

 どちらも、インターリーグの試合。この計12投手のうち、ミルウッドは2003年4月27日に、単独でもノーヒット・ノーランを達成している。

 なお、福岡ソフトバンクで最初に登板したカーターJr.は、この試合が一軍初先発だった。試合は、0対0の引き分けで終わった。

 また、この試合の数時間前には、前年に福岡ソフトバンクで投げたマット・ムーア(フィラデルフィア・フィリーズ)が、6イニングを投げ、被安打ゼロのまま降板した。もっとも、こちらは、2人目のエクター・ネリスも1イニングを無安打に封じたものの、3人目のアーチー・ブラッドリーが登板直後にホームランを打たれ、あと6アウトのところで継投ノーヒット・ノーランは途切れた。

 ムーアについては、こちらで書いた。

昨年の日本シリーズに続き、ノーヒッターを継続したまま降板する。前回は7イニング、今回は6イニング

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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