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大谷翔平の敬遠四球がア・リーグ最多に並ぶ。シーズン7度目。日本人選手でこれより多く歩かされたのは…

宇根夏樹ベースボール・ライター
大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)Aug 6, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 8月6日、大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)は、10回表に代打として起用された。この試合はロサンゼルス・ドジャースのホーム・ゲームなので、DHはない(8月7日と8日も同じ)。タイブレイクの無死二塁から始まったイニングに、先頭打者のホゼ・イグレシアスが二塁打を打って走者を生還させ、エンジェルスが1点リードした直後だ。一塁は空いている。ドジャースのデーブ・ロバーツ監督は、大谷との勝負を避け、敬遠四球を指示した。

 今シーズン、大谷が敬遠四球で歩かされるのは、これが7度目。ホゼ・ラミレス(クリーブランド・インディアンズ)と並び、ア・リーグ最多となった。両リーグでも、フレディ・フリーマン(アトランタ・ブレーブス)の12度とホアン・ソト(ワシントン・ナショナルズ)の10度に次ぐ。ブライス・ハーパー(フィラデルフィア・フィリーズ)も、大谷と同じく7度だ。

 ただ、今シーズンの大谷が、日本人メジャーリーガーのシーズン最多記録を塗り替えることは、まずないだろう。今から19年前に、イチローが27度の敬遠四球を記録している。また、イチローは敬遠四球10度以上が10シーズン。2001~11年のうち、2003年(7度)以外がそうだ。他に、シーズンの敬遠四球が二桁に達した日本人メジャーリーガーはいない。ちなみに、過去3シーズンの大谷は、2018年が2度、2019年が1度、2020年は皆無だった。

筆者作成
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 また、大谷がリーグ最多の敬遠四球を記録しても、最初の日本人メジャーリーガーにはならない。イチローが3度記録している。2002年(27度)と2004年(19度)、2009年(15度)の敬遠四球は、いずれもア・リーグで最も多かった。

 なお、敬遠四球が公式記録となった1955年以降のシーズン・トップ3は、2002~04年のバリー・ボンズだ。2004年が120度、2002年と2003年は68度と61度だった。ア・リーグのシーズン最多は33度。テッド・ウィリアムズが1957年に記録し、1993年にジョン・オルルードが並んだ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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