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大谷翔平はエンジェルスの「球団シーズン記録」をいくつ塗り替える!? ホームランはあと13本で新記録

宇根夏樹ベースボール・ライター
大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)Jul 25, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 7月25日、大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)は、シーズン35本目のホームランを打った(写真)。エンジェルスの球団シーズン記録は、トロイ・グロス(2000年)の47本塁打だ。大谷は、あと13本を積み上げると、グロスを抜いて新記録を樹立する。ここまで、エンジェルスは98試合を終え、大谷は35本塁打。残る64試合も、同じく2.8試合に1本なら、シーズン本塁打は57~58本となる。大谷の月間本塁打は、4月が8本、5月が7本、6月が13本。7月はすでに7本を記録し、エンジェルスは6試合(7月26日~31日)を残している。

 ちなみに、エンジェルスでシーズン40本塁打以上は、47本のグロス以外に延べ4人。45本のマイク・トラウト(2019年)、41本のグロス(2001年)とトラウト(2015年)、40本のアルバート・プーホルス(2015年/現ロサンゼルス・ドジャース)がそうだ。エンジェルスの本塁打王は3人。1981年に22本のボビー・グリッチと1982年に39本のレジー・ジャクソンに、2000年のグロスが獲得している。3人のうち、単独リーグ1位はグロスだけ。オークランド・アスレティックスのジェイソン・ジアンビとシカゴ・ホワイトソックスのフランク・トーマスに4本差をつけ、タイトルを手にした。レジーの39本は、エンジェルスの左打者では最も多い。

 ホームランだけでなく、大谷は、パワーに関係する球団記録を軒並み塗り替える勢いだ。ホームランと同じ計算式を当てはめると、長打と塁打も新記録となる。また、現時点の長打率.684は、トラウト(2019年)の.645より40ポイント近く高い。AB/HR(打数/本塁打)とISO(長打率-打率)も同様。球団記録がトラウト(2019年)の10.4打数/本と.353であるのに対し、ここまでの大谷は9.5打数/本と.407だ。

 それともう一つ、マーク・トランボ(2013年)とトラウト(2014年)が記録した183三振も、大谷は超えそうだ。もっとも、こちらは微妙なところ。後半戦に入って急激に上がった三振率(45.7%)が、前半戦(28.6%)のレベルに落ち着けば、180三振未満にとどまるかもしれない。なお、シーズン全体の三振率は、ジャスティン・アップトン(2018年)の28.7%が球団記録。現時点の大谷は30.2%だ。いずれにせよ、三振については、他のスタッツが悪くなければ、多くても気にすることはではないだろう。

筆者作成
筆者作成

 なお、大谷がMVPを受賞すると、エンジェルスでは延べ6人目となる。最初の2人は、ドン・ベイラー(1979年)とブラディミール・ゲレーロ(2004年)。3人目以降は、いずれもトラウトだ。2014年と2016年、2019年に選出されている。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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