防御率9点台でもエンジェルスは手放すべきではなかった!? 獲得前は1点台、放出後は10登板とも無失点
今シーズン、ハンター・ストリックランドは、すでに3チームで投げている。5月15日にタンパベイ・レイズからロサンゼルス・エンジェルスへ移り、6月12日にエンジェルスからミルウォーキー・ブルワーズへ移籍した。どちらもトレード。金銭と交換された。
それぞれのチームにおけるストリックランドは、ジキルとハイドとジキルのようだ。レイズでは13登板の計16.0イニングで防御率1.69、エンジェルスでは9登板の計6.1イニングで防御率9.95、ブルワーズでは10登板の計11.1イニングで防御率0.00。3チームのうち、エンジェルスだけが貧乏籤を引いたような格好になっている。
ストリックランドの投球は、4シーム(速球)とスライダーの2球種が、全体の90%前後を占める。ピッチ・インフォのデータによると、エンジェルスで投げていた期間は、4シームが65.1%、スライダーは32.6%だった。一方、レイズでは55.1%と39.9%、ブルワーズでは42.3%と46.4%(とシンカーが9.5%)だ。
この割合の違いが、エンジェルスで打ち込まれ、その前後の2チームで好投している理由なのかどうかを判断するには、サンプル数が少なすぎる気もするが、エンジェルスで投げていた時の割合は、4シームの平均球速が90マイル台後半だった数年前までのそれに近い。今シーズンの平均球速は約95マイル。これは、どのチームでもほとんど変わらない。
なお、最初のトレードと、エンジェルスがストリックランドを見限った経緯については、「防御率1点台のリリーフ投手が移籍。エンジェルスが獲得した理由はわかるが、レイズはなぜ放出したのか」と「移籍前は「防御率1点台」の投手が、新天地では「防御率9点台」。1ヵ月経たずにロースターから外される」で書いた。