防御率1点台のリリーフ投手が移籍。エンジェルスが獲得した理由はわかるが、レイズはなぜ放出したのか

ハンター・ストリックランド Apr 25, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 5月15日、ロサンゼルス・エンジェルスは、金銭あるいはPTBNL(後日決定選手)と交換に、タンパベイ・レイズからハンター・ストリックランドを獲得した。

 ストリックランドは、メジャーリーグ8年目の32歳。右のリリーフ投手だ。2月にレイズとマイナーリーグ契約を交わし、開幕ロースターには入れなかったものの、4月9日に昇格した。ここまで、13登板で計16.0イニングを投げ、防御率1.69を記録している。

 エンジェルスが獲得した理由は、わかりやすい。エンジェルスでリリーフとして10試合以上に登板している7人から、12登板で防御率2.25のトニー・ワトソンを除くと、他6人の防御率はいずれも4.50を超える。

 一方、レイズが放出した理由は、防御率からは見えてこない。繰り返しになるが、ストリックランドの防御率は1点台だ。

 このトレードと同時に、レイズは故障者リストに入っていたジマン・チョイをアクティブ・ロースターに入れた。チョイは一塁手なので、野手と入れ替えるのが普通だと思うかもしれないが、それまでのロースターは、野手12人と投手14人で構成されていた(昨シーズンと今シーズンは、投手は13人までというルールが適用されない)。

 ストリックランドが登板した時のスコアは、ビハインドが6試合、5点以上のリードが5試合。プレッシャーがかかる場面の起用は少なかった。また、スタットキャストによれば、4シームの平均球速は94.6マイル。2016年までの平均98マイル前後と比べると、かなりダウンしている。

 そもそも、開幕早々にストリックランドが昇格したのは、ピート・フェアバンクスが右肩を痛めたことによる。すでに、フェアバンクスは5月5日に復帰している。さらに、レイズのブルペンには、右の股関節を痛めて5月5日に故障者リスト入りした――ロースターの出入りという点からすると、フェアバンクスと入れ替わった――ディエゴ・キャスティーヨも、トレードの前日に戻ってきた。

 ただ、キャスティーヨの復帰に伴って降格したルイス・ヘッドと違い、ストリックランドはマイナーリーグ・オプションが切れているため、そのまま降格させることはできない。まず、ウェーバーにかける必要がある。その前に、レイズはストリックランドを欲しがる相手を見つけ、トレードを成立させた。あるいは、チョイの復帰が近づき、誰と入れ替えるかを検討していたところ、エンジェルスから引き合いがあって、それに応じたのかもしれない。