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大谷翔平の後ろも左打者のラインナップは今シーズン初。左が続くこの打順はあり!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
ジャレッド・ウォルシュ(左)と大谷翔平 May 23, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 7月4日、ロサンゼルス・エンジェルスのスターティング・ラインナップには、1~4番に、デビッド・フレッチャー大谷翔平ジャレッド・ウォルシュアンソニー・レンドーンが並んだ。右打者、左打者、左打者、右打者だ。

 今シーズン、大谷の打順を問わず、その直後に左打者が続くラインナップは、これまで1試合もなかった。どの試合も、大谷の後ろは、右打者かスイッチ・ヒッターだった。大谷の直前が左打者のラインナップも、5月20日だけ。この試合は1~3番に、ホゼ・ロハス(左打者)、大谷、レンドーンが並び、9番はフレッチャーだったので、大谷を含む左打者が3人続くラインナップは皆無だ。

 ウォルシュは、現在のエンジェルスで、2番目によく打っている。20本塁打は大谷(31本)の次に多く、OPS.907と出塁率.343も、150打席以上の8人のなかでは、大谷のOPS1.070と出塁率.366に次ぐ。二塁打22本は、大谷よりも5本多い。

 また、今シーズンの大谷は、左投手を苦にしていない。対右と比べると少し落ちるが、対左のOPSは1.004。ホームランは、10.2打数に1本のペースで打っている(対右はOPS1.102と8.4打数/本)。

 ただ、ウォルシュは左投手を打てていない。対右のOPS1.076に対し、対左はOPS.550に過ぎない。ホームランを打つペースも、対右が13.4打数/本、対左は19.8打数/本と差がある(大谷の対左右の差と比較するとわかりやすい)。

 大谷の後ろにウォルシュがいても、左投手を苦にする2人が続き、打線が大きく分断されることにはならない。だが、相手が大谷との勝負を避け、左投手でウォルシュを討ち取ろうとする事態は起こり得る。

 とはいえ、相手の先発投手が右腕の場合、大谷の後ろにウォルシュがいることは、少なくともその投手が降板するまでは有効だろう。

 エンジェルスには、シーズン30本塁打以上の実績を持つ右打者が3人いるものの、マイク・トラウトジャスティン・アップトンは故障者リストに入っていて、レンドーンは不振が続いている。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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