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大谷翔平以外のホームラン・ダービー出場者はパワー不足!? 3人のシーズン本塁打は大谷の半数以下

宇根夏樹ベースボール・ライター
トレバー・ストーリー(コロラド・ロッキーズ)Jun 14, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 オールスター・ゲームの前日に行われる、ホームラン・ダービーの出場者は、今のところ、大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)をはじめ、8人中5人が決まっている。

 7月2日時点のシーズン本塁打は、出場表明の順に、大谷が30本、ピート・アロンゾ(ニューヨーク・メッツ)が13本、トレバー・ストーリー(コロラド・ロッキーズ)が9本、トレイ・マンシーニ(ボルティモア・オリオールズ)が15本、サルバドール・ペレス(カンザスシティ・ロイヤルズ)は20本だ。

 一方、大谷に次いで多くのホームランを打っている、25本以上の3人、27本のブラディミール・ゲレーロJr.(トロント・ブルージェイズ)、26本のフェルナンド・タティースJr.(サンディエゴ・パドレス)、25本のカイル・シュワーバー(ワシントン・ナショナルズ)は、いずれも出場しない。不参加の意向を、それぞれ、スポーツネットのヘイゼル・メイ、サンディエゴ・ユニオン-トリビューンのアニー・ハイルブラン、USAトゥディのスコット・グリーソンらが報じている。6月に大谷を3本上回る16本を記録したシュワーバーは、右の太腿裏を痛め、7月3日に故障者リストへ入った。

 大谷以外に出場が確定している4人のうち、アロンゾは「大谷翔平に続き、前回の優勝者がホームラン・ダービー出場を表明。連覇なら史上3人目」で書いたとおり、ディフェンディング・チャンピオンだ。ストーリーは、オールスター・ゲームが開催されるクアーズ・フィールドをホームとしている(この夏に放出され、そうではなくなる可能性は高い)。マンシーニは、今シーズン、カムバック賞に選ばれるだろう。大腸癌の治療により、昨シーズンは全休した。ペレスの場合、優勝すると、捕手では史上初となる。

 意地の悪い見方かもしれないが、ホームランを量産している選手の不参加が相次ぎ、他の点で話題になる人選――連覇がかかるアロンゾはともかく――に走っているようにも思える。

 もっとも、この4人も、パワーレスというわけではない。シーズン最多本塁打は、アロンゾが53本(2019年)、ストーリーが37本(2018年)、マンシーニが35本(2019年)。ペレスは2017~18年の2年連続27本が最多だが、今シーズンはそれを上回りそうな勢いだ。

 また、前半戦にホームランを多く打っている選手が、ホームラン・ダービーで優勝するとは限らない。例えば、2013~14年に連続優勝のヨエニス・セスペデスは、両年とも、その時点のシーズン本塁打が15本以下。2013年の前半戦は両リーグ32位タイの15本、2014年は34位タイの14本だった。

 今年のホームラン・ダービーは、7月12日(日本時間の7月13日)に行われる。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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