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ファン投票と選手間投票の両方で選ばれる「ダブル選出」の歴代最多は…。今年の10人中、浅村栄斗は6度目

宇根夏樹ベースボール・ライター
坂本勇人(左)と松田宣浩(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

 今年、選手間投票によってオールスター・ゲームのメンバーに選ばれた19人のうち、約半数の10人はファン投票でも選出されている。セ・リーグは、捕手の梅野隆太郎(阪神タイガース)、外野手の鈴木誠也(広島東洋カープ)と佐藤輝明(阪神)。パ・リーグは、捕手の森友哉(埼玉西武ライオンズ)、一塁手の山川穂高(埼玉西武)、二塁手の浅村栄斗(東北楽天ゴールデンイーグルス)、遊撃手の源田壮亮(埼玉西武)に、外野手の3人、柳田悠岐(福岡ソフトバンク・ホークス)、吉田正尚(オリックス・バファローズ)、レオネス・マーティン(千葉ロッテ・マリーンズ)がそうだ。

 選手間投票は、2008年に始まった。今年が13度目だ。選手間投票で選ばれた延べ247人中、ファン投票とのダブル選出は147人。全体の59.5%なので、今年の52.6%(19人中10人)もそう変わらない。ただ、リーグごとに分けると、今年のセ・リーグのダブル選出3人は、2010年と2012年のパ・リーグと並び、最も少ない。

 一方、選手間投票で選ばれたリーグの全選手がダブル選出だったことは、これまでに一度もない。セ・リーグのダブル選出は、2016年の9人中7人が最多。パ・リーグは、2015年の10人中9人が最も多い。この年のパ・リーグは、3人目の外野手だけが違った。ファン投票の3位はオリックスの糸井嘉男(現・阪神)、選手間投票の3位は千葉ロッテの清田育宏だった。清田はファン投票のトップ10に入らず、糸井は選手間投票の4位。209票を得て、清田との差は6票しかなかった。

 ダブル選出の歴代最多は、坂本勇人(読売ジャイアンツ)の7度(2009~11年、2016~19年)だ。それぞれ6度の松田宣浩(福岡ソフトバンク)と浅村が、坂本に次ぐ。松田のダブル選出は、2011年、2013~14年、2016~18年。浅村は6度連続。埼玉西武時代の2015~18年と東北楽天へ移った2019年に続き、今年のダブル選出で松田に並んだ。

筆者作成
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 ポジション別の最多は、投手がダルビッシュ有の3度(2008~09年、2011年/現サンディエゴ・パドレス)、捕手が阿部慎之助の5度(2008年、2011~14年)、一塁手が山川の3度(2018~19年、2021年)、二塁手が浅村の6度、三塁手が松田の6度、遊撃手が坂本の7度。外野手は5度が4人いる。糸井(2012~14年、2016~17年)、秋山翔吾(2015~19年/現シンシナティ・レッズ)、筒香嘉智(2015~19年/現ロサンゼルス・ドジャース)、柳田(2015~18年、2021年)がそうだ。DHは2度以上がいない。ダブル選出も少なく、2013年のアンドルー・ジョーンズ、2014年のウィリー・モー・ペーニャ、2015年の森だけだ。森のダブル選出は3度。2019年と2021年に、捕手として、ファン投票と選手間投票の両方で選出されている。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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