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パドレスが「1年越しの求愛」を実らせ、あのスラッガーを獲得する!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
ジョーイ・ギャロ(テキサス・レンジャーズ)May 28, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 昨年の夏、サンディエゴ・パドレスは、ジョーイ・ギャロ(テキサス・レンジャーズ)に興味を抱いていた。トレードは実現しなかったものの、ジ・アスレティックのケン・ローゼンタールらによると、パドレスとタンパベイ・レイズの2球団が、ギャロを欲しがっていたという。

 パドレスの気持ちは、今も変わっていないようだ。こちらは、6月上旬にジ・アスレティックのデニス・リンが報じた。

 レンジャーズがギャロを手放す可能性は、昨夏よりも高まっている。レンジャーズは、昨年12月にエースのランス・リンをシカゴ・ホワイトソックスへ放出。ルーグネット・オドーアエルビス・アンドゥルースの二遊間デュオも「解体」した。今シーズン、2人はそれぞれ、ニューヨーク・ヤンキースとオークランド・アスレティックスでプレーしている。現在のレンジャーズの順位は、ア・リーグ西地区の最下位だ。ロサンゼルス・エンジェルスよりも下にいる。

 一方、パドレスは、昨オフに3人の先発投手、ブレイク・スネルダルビッシュ有ジョー・マスグローブを獲得した。現時点ではサンフランシスコ・ジャイアンツに次ぐナ・リーグ西地区2位に位置する。

 ただ、外野手として先発出場30試合以上の4人、トミー・ファムジャリクソン・プロファーウィル・マイヤーズトレント・グリシャムのうち、OPS.750以上を記録しているのは、5月下旬に故障者リスト入りしたグリシャムだけ。ホームランは、4人合わせて17本だ。

 ギャロは、2017~18年に2年続けて40本以上のホームランを打った。今シーズンは、ここまで10本。リーグ最多の79三振を喫し、打率は.207に過ぎないが、こちらは最多タイの45四球を記録し、出塁率は.365と悪くない。ホームランと三振と四球だけの選手ではなく、昨シーズンはゴールドグラブを受賞した。定位置はライトだが、センターを守ることもできる。

 FAになるのは、2022年のシーズン終了後だ。昨夏と比べると、球団がそれまでに保有できる期間が短くなっているので、獲得するのに必要な代償――交換に差し出すプロスペクトたち――は、相対的に小さくて済む。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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