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セーブ歴代トップ20の5人に1人は、野手から投手に転向。なかには、殿堂入りしたクローザーも

宇根夏樹ベースボール・ライター
トレバー・ホフマン May 3, 2005(写真:ロイター/アフロ)

 先月下旬、姫野優也(北海道日本ハム・ファイターズ/育成)は、インスタグラムにこう書き込んだ。「記事に出ていた通り この度、外野手から投手に転向になりました! プロに入り両打に挑戦し 次はピッチャーに挑戦します!(後略)」

 日本プロ野球において、野手から投手に転向し、活躍した選手は少ない。一方、メジャーリーグの場合、例えば、通算300セーブ以上の30人中4人は、マイナーリーグで野手としてプレーした後に投手となった。

 601セーブ(2位)のトレバー・ホフマン、377セーブ(8位)のジョー・ネイサン、358セーブ(12位)のトロイ・パーシバル、324セーブ(19位タイ)のケンリー・ジャンセン(ロサンゼルス・ドジャース)がそうだ。4人とも、少なくとも3度、オールスター・ゲームのメンバーに選ばれ、ホフマンは殿堂入りしている。

 順位からすると、歴代トップ20の5人に1人だ。ジャンセンの順位がさらに上がれば、歴代トップ16の4人に1人にもなる。現時点で、16位のフランシスコ・コーデロとは5セーブ差、15位のジョン・ウェッテランドとの差は6セーブだ。

 4人のうち、ホフマンとネイサンは遊撃手、パーシバルとジャンセンは捕手だった。彼らが転向した理由をざっくりまとめると、貧打と強肩だ。

 野手から転向した現役投手は、ジャンセンだけではない。今シーズン、メジャーリーグで登板した投手のうち、ショーン・ドゥーリトル(シンシナティ・レッズ)は一塁手→外野手→投手、ジョーダン・ウィームス(オークランド・アスレティックス)は捕手→一塁手→投手だ(他にもいるかもしれない)。この2人のマイナーリーグ初登板は、24歳と23歳の時。姫野は、4月に24歳の誕生日を迎えた。

 姫野と同じように、外野手から転向した投手には、1970~90年代に176勝を挙げたデーブ・スティーブがいる。近年の例を挙げると、2017年の韓国プロ野球を挟み、2010~18年にメジャーリーグで284登板のアレクシー・オガンドが、かつて外野手だった。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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