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大谷翔平のスプリッターは両リーグ・ベストの被打率.043。2位や3位とはどれくらい違う!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)May 11, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)が投げるスプリッターは、ほとんど打たれていない。スタットキャストによると、47打数2安打、被打率は.043だ。

 この被打率は、今シーズン、最後の球がスプリッターだった打席が20以上を数える18投手のなかで、最も低い(5月28日時点)。

 ちなみに、20打席未満を含めれば、大谷よりも被打率が低い投手は3人いる。アロルディス・チャップマン(ニューヨーク・ヤンキース)、ラファエル・ドリス(トロント・ブルージェイズ)、ニック・トロピアーノ(サンフランシスコ・ジャイアンツ)のいずれも、被打率は.000だ。ただし、サンプル数は、大谷の49打席に対し、彼らはそれぞれ、10打席、9打席、2打席。大谷の4分の1にも満たない。

 20打席以上の18人中、2番目に被打率が低いのは、今シーズンから大谷とチームメイトになったジュニオール・ゲラだ。22打席で21打数1安打、被打率.048を記録している。もっとも、ゲラの場合も――防御率が5.54と高いことはさておき――スプリッターが最後の球だった打席は、大谷の半数以下だ。

 対象を30打席以上の13人に絞ると、被打率.150未満は、大谷の他に2人しかいない。しかも、エクター・ネリス(フィラデルフィア・フィリーズ)は被打率.136(44打数6安打)、ネイサン・イオバルディ(ボストン・レッドソックス)は被打率.148(27打数4安打)なので、大谷とはかなりの差がある。

 大谷のスプリッターを打ってヒットにしたのは、ヨーダン・アルバレス(ヒューストン・アストロズ)とフランミル・レイエス(クリーブランド・インディアンズ)の2人。それぞれ、5月11日と19日だ。映像で確認すると、どちらのスプリッターもほとんど落ちず、その高さは、ストライク・ゾーンの上下を3分割した、高・中・低の中だった。また、レイエスの打球はバウンドした後にスタンドへ飛び込んだが、アルバレスの打球は三塁側に力なく転がり、シフトを敷いていたこともあって内野安打になった。

 なお、大谷が投げている他球種の被打率は、4シームが.239(46打数11安打)、スライダーが.083(12打数1安打)、カッターが.357(14打数5安打)、カーブは.000(3打数0安打)だ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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