大谷らを抜き、ゲレーロJr.が本塁打のリーグ・トップに立つ。ゲレーロJr.にあって大谷にないのは…
5月24日、ブラディミール・ゲレーロJr.(トロント・ブルージェイズ)は2本のホームランを打ち、14本塁打の大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)とアドリス・ガルシア(テキサス・レンジャーズ)に追いつき、追い抜いた。ゲレーロJr.の15本塁打は、ロナルド・アクーニャJr.(アトランタ・ブレーブス)と並び、両リーグ最多。ア・リーグでは単独トップだ。
ア・リーグのトップ3、ゲレーロJr.とガルシア、大谷を比べると、固め打ちの有無が目につく。固め打ちの定義は確定していないが、ここでは、1試合に2本塁打以上のマルチ・ホームラン・ゲームと、2試合以上続けてホームランを打ったストリークを、それぞれ「マルチ」と「連続」として取り上げた。
ゲレーロJr.は「マルチ」が3試合(3本が1試合、2本が2試合)、「連続」は2度(3試合と2試合が1度ずつ)。ガルシアは2試合と4度だ。一方、大谷の場合、「連続」はゲレーロJr.と同じ2度ながら、「マルチ」は皆無だ。14本のホームランを、それぞれ別の試合で打っている。
ア・リーグのトップ10(12本塁打以上)でも、「マルチ」がないのは、大谷とマーカス・シミエン(ブルージェイズ)だけだ。シミエンは「マルチ」に加え、「連続」もない。ナ・リーグで12本塁打以上の7人を含めても、「マルチ」あるいは「連続」がゼロの選手は少ない。「マルチ」なしは17人中3人、「連続」なしは17人中2人だ。
違う見方をすると、大谷は誰よりも多くの試合でホームランを打っている。大谷の14試合に対し、ゲレーロJr.は11試合、ガルシアは12試合、アクーニャJr.は13試合だ。
けれども、2001年以降に本塁打王を獲得した延べ44人は、いずれもそのシーズンに「マルチ」と「連続」を記録している。このデータからすると、「ノーマルチ、ノータイトル」「ノー連続、ノータイトル」といったところだ。
もちろん、シーズンは、まだ3分の2以上が残っている。大谷の通算「マルチ」は、2018年8月3日と9月5日、2019年6月30日の3試合(各2本)だ。いずれも、シーズン162試合の半数以上が終わってから記録した。ただ、こんなデータもある。サンプルは多くないものの、今シーズン、ホームランを打った試合における、本塁打後の計23打席は、20打数3安打(打率.150)、2四球、1死球だ。
なお、ゲレーロJr.の1試合3本塁打については、こちらで書いた。