Yahoo!ニュース

MLBでも投げた「NPB100勝投手」は田中将大が12人目。初勝利~100勝の間にMLB時代は2人目

宇根夏樹ベースボール・ライター
松坂大輔(左)と田中将大 MARCH 5, 2009(写真:アフロスポーツ)

 4月24日、田中将大(東北楽天ゴールデンイーグルス)が、史上139人目のNPB100勝に到達した。

 177登板で100勝は、ビクトル・スタルヒンの165登板(1939年11月1日)に次いで少なく、藤本英雄(1948年11月1日)と並ぶ。2リーグ制となった1950年以降では、最も少ない。ただ、田中が99勝目を挙げたのは、今から8年前の2013年10月8日だ。2014年から2020年までは、ニューヨーク・ヤンキースの投手としてMLBで投げた。

 NPB100勝以上の139人中、MLBでも投げた投手は、田中を含めて12人を数える。そのうち、NPB初勝利から100勝目までの間にMLB時代を挟んでいるのは、石井一久に続き、田中が2人目だ。現在、2人はどちらも東北楽天にいる。

筆者作成
筆者作成

 石井は、1993~2001年にヤクルト・スワローズで78勝を記録後(1992年は0勝)、ロサンゼルス・ドジャース(2002~04年)とニューヨーク・メッツ(2005年)を経て、NPB復帰3年目の2008年3月29日に100勝目を挙げた。到達時に在籍していたのは、埼玉西武ライオンズだ。古巣の東京ヤクルト・スワローズへ戻って2シーズンを過ごした石井は、2007年のオフに埼玉西武へ移った。

 他の10人中8人は、メジャーリーガーになる前にNPBで100勝以上を挙げた。例えば、2014~15年にシカゴ・カブスで投げた和田毅(福岡ソフトバンクホークス)は、その前の2003~11年に107勝を記録している。NPB復帰からここまでは、33勝だ。

 残る2人のうち、1959年にシカゴ・ホワイトソックスの投手としてMLBデビューのジョー・スタンカは、翌年からNPBで7シーズンを過ごした。その後は、MLBでも傘下のマイナーリーグでもプレーしていない。初の日本人メジャーリーガーとなった村上雅則は、サンフランシスコ・ジャイアンツ時代(1964~65年)の前後に、NPBで一軍の試合に登板しているものの、MLBで投げる前の1963年は、南海ホークスでリリーフとして3試合に投げて0勝0敗。NPB初勝利(1966年4月12日)から100勝目(1979年6月17日)までの間に、MLB時代を挟んではない。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

宇根夏樹の最近の記事