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大谷翔平の「100-100」は、他に誰が記録している!? 同じ試合で投球も打球も100マイル以上

宇根夏樹ベースボール・ライター
大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)Apr 4, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 4月4日、大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)は「2番・投手」として出場し、スタットキャストによると、最速101.1マイルをはじめ、100マイル以上の4シーム(速球)を9球投げ、115.2マイルのホームランと109.7マイルのセンター・ライナーを打った。言うまでもないが、打球も速度だ。距離ではない。

 同じ試合で投球と打球のどちらも100マイル以上の「100-100」は、大谷が初めてではない。2015~20年の過去6シーズン――スタットキャストは2015年から――に、6人が計19試合で記録している。

 そのうちの12試合は、ノア・シンダーガード(ニューヨーク・メッツ)によるものだ。他には、カルロス・マルティネス(セントルイス・カーディナルス)が3試合。あとの4人のなかには、リリーフ投手のアロルディス・チャップマン(ニューヨーク・ヤンキース)もいる。シンシナティ・レッズ時代の2015年8月31日に、チャップマンは8回裏の途中から1.2イニングを投げた。この日の投球は、最速103.5マイルをはじめ、100マイル以上が9球。そして、9回表の打席で107.7マイルの内野ゴロ(フィルダース・チョイス)を打った。レギュラーシーズンでチャップマンが打席に立ったのは、2013年8月21日とこの試合の計2打席しかない。

 ただ、チャップマンの打席からもわかるとおり、打球速度100マイル以上がヒットになるとは限らない。6人中、100マイル以上の球を投げた試合で、100マイル以上のホームランを打ったのは、シンダーガードだけだ。シンダーガードがこれを記録したのは、2015年5月27日、2016年5月11日、2016年8月16日の3試合。その2試合目は、104.3マイルのホームランと103.5マイルのホームランを、どちらもロサンゼルス・ドジャースの前田健太(現ミネソタ・ツインズ)から打った。また、この日、100マイル以上を記録した12球中、7球目の100.5マイルは前田に対して投げ、空振り三振を奪った。

ノア・シンダーガードとヤズマニ・グランダル(左)May 11, 2016
ノア・シンダーガードとヤズマニ・グランダル(左)May 11, 2016写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 2015年以降の「スタットキャスト・エラ」において、同じ試合で、100マイル以上のホームランを打たれ、打席に立った時に100マイル以上の球を投げられたのは、前田だけだ。先日、大谷にホームランを打たれたディラン・シース(シカゴ・ホワイトソックス)は、その試合で打席には立っていない。「28歳のルーキーが、20世紀以降初の「初スタメンで5打数5安打」で紹介したヤミーン・マルセイディスが、DHとして出場した。

ノア・シンダーガードと前田健太(左)May 11, 2016
ノア・シンダーガードと前田健太(左)May 11, 2016写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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