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「ダーク・ナイト」は開幕ローテーション入り。「キング・フェリックス」と元埼玉西武の左腕は…

宇根夏樹ベースボール・ライター
マット・ハービー(ボルティモア・オリオールズ)Mar 5, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 3月25日、マット・ハービー(ボルティモア・オリオールズ)のローテーション入りが決まった。ニューヨーク・メッツを救う「ダーク・ナイト」として期待された当時ほどの球速はないが、今春の登板は、2イニングで自責点3、4イニングで自責点2、4イニングで自責点1。徐々に自責点を減らし、ノン・ロースター・インバイティ(キャンプ招待)から40人ロースターに加わった後の3月28日も、5イニングで自責点2と大崩れせずにまとめた。ジョン・ミーンズに続き、ハービーは開幕2試合目のマウンドに上がる。

 3試合目の先発投手は、今シーズンがメジャーリーグ2年目となる、26歳のブルース・ジマーマンだ。プロスペクトと目されたことはないが、今春は3登板で計9.0イニングを投げ、1点も与えていない。2年前のミーンズのように、無名の投手が予想外の好投をするかもしれない。

 残る2枠は、未定だ。

 こちらもノン・ロースター・インバイティのフェリックス・ヘルナンデスは、3月16日の登板時に右肩の違和感を訴え、1イニングで降板した。25日にブルペンで投げているので、大事には至らなかったようだが、次の登板がいつになるのかは決まっていない。シアトル・マリナーズの元エース、「キング・フェリックス」の故障が、「ダーク・ナイト」のローテーション入りを後押ししたという見方もできる。

 元・埼玉西武のウェイド・ルブランは、3月25日にオリオールズを退団し、翌日に再びオリオールズに入団した。最初の退団は、マイナーリーグ契約に含まれていたオプト・アウト(選手から契約を打ち切る権利)によるものらしい。再契約はノン・ロースター・インバイティではなく、40人ロースターに入っている。ただ、開幕ロースターの26人に入るかどうかは確定しておらず、そうなった場合でも、先発とリリーフのどちらも可能性はある。

 3月28日に金銭トレードでクリーブランド・インディアンズから加入したアダム・プレッコも、候補の一人だろう。ルブランと同じく、先発とリリーフの両方を経験してきた。他には、ディーン・クレイマーホルヘ・ロペスの名前も挙がっている。

 4月1日の開幕から中4日で回していくと、4人目の先発投手が必要になるのは4試合目の4月5日、5人目は6試合目の4月7日だ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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