通算131勝のレフティが引退。今春の「2登板」は防御率189.00
3月25日、ジオ・ゴンザレスがインスタグラムで引退を表明した。ジオは35歳。3月初旬にマイアミ・マーリンズとマイナーリーグ契約を交わし、故郷に近いチームの選手としてプレーできることを喜んでいたが、スプリング・トレーニングの初登板となった3月20日のエキシビション・ゲームで打ち込まれ、気持ちが変わったようだ。うまくいけば、ローテーションの一角を担うか、そうでなくとも、ロング・リリーフあるいはスウィングマンとしてロースター入りする可能性もあった。
3月20日の試合で、ジオは2度登板した。ダブルヘッダーではなく、同じ試合だ。まず、6回裏のマウンドに上がり、四球、ヒット、ヒット、二塁打、ヒット、四球で、1アウトも取れずに降板。代わったジェイク・フィッシュマン――マーリンズに似合いのラストネームを持つが、昨シーズンまではトロント・ブルージェイズ傘下のマイナーリーグにいた――がイニングを終わらせ、7回裏に再びジオが登板した。だが、この「仕切り直し」も奏功せず。二塁打に続き、三塁フライでアウトを記録したものの、そこから3本続けてヒットを打たれ、またしてもイニング途中でダグアウトへ下がった。さすがに3度目となる8回裏の登板はなく、計0.1イニングで自責点7。防御率189.00を記録した。引退声明のなかで、ジオは「身体が気持ちについていかなかった(笑)」と書いている。
ただ、2010年代のジオは、絶対的なエースとまではいかずとも、かなりの好投手だった。このスパンの1768.2イニングは13位、123勝(88敗)は8位。防御率3.49は、1000イニング以上の89人中17位に位置する。規定投球回以上は8シーズン、195イニング以上&防御率3.40未満は5シーズンを数えた。2012年はナ・リーグ6位の防御率2.89とともにリーグ最多の21勝(8勝)を挙げ、サイ・ヤング賞投票の3位。2017年もナ・リーグ5位の防御率2.96と6位タイの15勝を記録し、投票6位にランクインした。
ジオのベストシーズンを挙げるなら、ワシントン・ナショナルズ時代の2012年だろう。2004年までモントリオール・エクスポズだったナショナルズは、この年、移転してから初めて、ポストシーズンにたどり着いた。けれども、ジオのキャリアを振り返ると、2018年のシーズン終盤も印象深い。8月末にナショナルズからミルウォーキー・ブルワーズへ移った時点の防御率は4.57ながら、そこからの5登板は防御率2.13。自身は3勝を挙げ、ブルワーズは5試合とも勝利を収め、こちらは7年ぶりとなるポストシーズン進出を果たした。