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マーリンズがDFAとした外野手は、4年5300万ドルの契約3年目。残る支払い額は2400万ドル以上

宇根夏樹ベースボール・ライター
アビサイル・ガルシア(マイアミ・マーリンズ)Aug 6, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 6月4日、マイアミ・マーリンズは、アビサイル・ガルシアをDFAとした。

 今シーズンは、4年5300万ドル(2022~25年)の契約3年目だ。4シーズンとも、年俸は1200万ドル。2016年の球団オプションは、行使する場合の年俸が1200万ドル、破棄する際の解約金は500万ドルなので、1200万ドル×4シーズン+500万ドル=5300万ドルとなる。

 今シーズンの年俸の残り、来シーズンの年俸、球団オプションの解約金を合わせると、マーリンズの支払いは、2400万ドル以上が残っている。

 マーリンズに入団する直前の2021年は、29本のホームランを打ち、OPS.820を記録した。また、2017~19年のホームランは、18本、19本、20本。この3シーズンのうち、2018年のOPSは.719ながら、その前後は.885と.796だった。

 2012年にメジャーデビューした当時、「ミニ・ミギー」と呼ばれていたのは、チームメイトのミゲル・カブレラに匹敵する資質の持ち主というよりも、ベネズエラ出身、右打者、体型といった共通点が主な理由のような気がする。けれども、マーリンズでも、レギュラーとして.800前後のOPSを記録してもおかしくなかった。

 ところが、2022年は98試合でOPS.582、2023年は37試合でOPS.556、今シーズンは18試合でOPS.635。ホームランは、計153試合で13本だ。

 怪我が多く、今シーズンも、4月下旬に左太腿裏を痛めた。5月下旬から、AAAでリハビリ出場を開始したところだった。ここから、ウェーバーの公示期間が終わり次第、解雇となる。

 2021年のオフに、ガルシアがマーリンズに入団した時、マイアミ・ヘラルドのジョーダン・マクファーソンが報じた記事によると、当時、マーリンズのCEO(チーフ・エグゼクティブ・オフィサー)だったデレク・ジーターは、ガルシアと朝食を食べながら話し合い、契約に至ったという。

 ジーターは、2022年の開幕前にマーリンズを去った。それについては、こちらで書いた。

「ジーターが球団を去る、栄光を手にすることなく。選手時代はヤンキースでワールドシリーズ優勝5度」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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