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オープン戦で「防御率ワースト」だった投手はシーズンでも炎上したのか。今年は中日の柳が防御率7.88

宇根夏樹ベースボール・ライター
前田健太 NOVEMBER 14, 2014(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

 柳裕也(中日ドラゴンズ)がオープン戦で記録した防御率7.88は、規定投球回に達した22人のなかで最も高かった。防御率6.00以上は、他に皆無。ワースト2位の早川隆久(東北楽天ゴールデンイーグルス)は、防御率5.68だった。

 もっとも、規定投球回以上の22人は、いずれも3登板。計20イニング未満だ。柳の3登板は、3月6日が5イニングで1失点(自責点1)、14日が6イニングで5失点(自責点5)、20日は5イニングで8失点(自責点8)。昨シーズンも、これより高い防御率のスパンはあった。例えば、9月11日、18日、25日の3登板は、計12.2イニングで自責点12なので、防御率は8.53となる。それでも、シーズン全体(85.0イニング)の防御率は3.60だ。

 過去15年(2006~20年)のオープン戦で、各年のワースト防御率を記録した投手も、そのシーズンの防御率が必ずしも高かったわけではない。ちなみに、柳とチームメイトの大野雄大は、昨年のオープン戦でワースト2位の防御率7.53ながら、シーズンではセ・リーグ・ベストの防御率1.82を記録した。

筆者作成
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 また、2015年のオープン戦で最も防御率が高かった前田健太(現・ミネソタ・ツインズ)は、その前年も防御率5.14。こちらの順位は、ワースト3位だった。前田のオープン戦の防御率は、2008~10年も、ワースト4位(4.96)、ワースト2位(6.19)、ワースト2位(4.76)に位置した。

 なお、メジャーリーグへ移った2016年以降、前田がスプリング・トレーニングのエキシビション・ゲームで3.00を超える防御率を記録したのは、2019年(4.15)だけだ。今春は、4登板で計14.1イニングを投げ、失点はホームランによる1点しかない。防御率は0.63だ。3月26日の登板に続き、前田は4月1日に開幕戦のマウンドに上がる。

 オープン戦で打率ワーストの打者については、こちらで書いた。

オープン戦で「打率最下位」の選手はシーズンでも打てなかったのか。今春は広島東洋のクロンが打率.063

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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