Yahoo!ニュース

日本人投手が先発マウンドに上がった開幕戦の勝敗は…。今年のツインズは前田健太が開幕投手

宇根夏樹ベースボール・ライター
前田健太(ミネソタ・ツインズ)Aug 1, 2020(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 今シーズン、ミネソタ・ツインズの前田健太は、開幕戦の先発マウンドに上がる。広島東洋カープ時代を含めれば、2010~12年と2014~15年に続く6度目になるが、メジャーリーグで開幕投手を務めるのは、初めてのことだ。

ダルビッシュ有が加入したサンディエゴ・パドレスは、まだ開幕投手を発表していない。ここまでの登板日からすると、ダルビッシュが有力だ。菊池雄星がいるシアトル・マリナーズの開幕投手は、過去2年と同じく、マルコ・ゴンザレスだ。有原航平が入団したテキサス・レンジャーズは、カイル・ギブソンに決まった。

 開幕戦に先発した日本人投手は、2000年の野茂英雄から2019年の田中将大(現・東北楽天ゴールデンイーグルス)まで、延べ10人を数える。

筆者作成
筆者作成

 彼らのうち、2000年と2003年の野茂、2009年の黒田博樹、2019年の田中は、白星を手にした。一方、2004年の野茂、2015年と2017年の田中は、黒星を喫した。合計すると4勝3敗。あまり勝てていないように感じるかもしれないが、投げ合う相手も開幕投手だ。チームとしては5勝5敗。開幕戦に限らず、基本的にはどの試合も、一方が勝ってもう一方が負ける。

 また、6イニング以上を投げて自責点3以下の「クオリティ・スタート」を記録したのは、2000年と2003年の野茂しかいない。ただ、2009年の黒田、2016年と2019年の田中は、5.2イニングで自責点2以下だ。それぞれがマウンドを降りた時の状況は、2点リードの2死満塁、同点の2死一塁、4点リードの2死二塁。いずれも、最後となった打者を出塁させているが、シーズンが始まったばかりということも、降板理由の一つかもしれない。投球数は、黒田が90球、田中は87球と83球だった。

 なお、前田が4月1日の開幕戦で投げる相手は、ミルウォーキー・ブルワーズだ。ブルワーズ戦の通算成績は、7試合に先発して3勝2敗、防御率2.59。昨シーズンの2登板は、6.2イニングで2失点(自責点2)と8.0イニングで1失点(自責点1)。前田に白星がついたのは1度目の登板だけだが、ツインズはどちらの試合も勝利を収めた。

 ツインズ対ブルワーズの開幕戦は、ブルワーズの本拠地、アメリカンファミリー・フィールド(昨年までの名称はミラー・パーク)で行われる。ナ・リーグのチームのホーム・ゲームなので、DHはない。前田はマウンドだけでなく、打席にも立つ。

 NPBでも投げたことのある開幕投手については、2年前の開幕前にこちらで書いた。

「日本帰りの投手」が開幕投手を務めるのは、マイコラスが4人目

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

宇根夏樹の最近の記事