このアジア出身選手もパワーを発揮。今春のホームランは大谷翔平と並び、全選手4位の4本
今春のエキシビション・ゲームで、大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)は4本のホームランを打っている。3月3日に1本、15日に2本、16日に1本だ。
4本塁打以上の選手は、大谷を含めて7人。ジョーイ・ギャロ(テキサス・レンジャーズ)、ジョク・ピーダーソン(シカゴ・カブス)、コリー・シーガー(ロサンゼルス・ドジャース)は5本ずつだ。4本塁打の4人には、大谷以外にもアジア出身の選手がいる。台湾生まれのユー・チェン(クリーブランド・インディアンズ)がそうだ。こちらは、3月4日に2本、8日に1本、16日に1本。4本目のホームランは、大谷と同じ試合で打った。大谷が3回裏にセンターへ弾き返したのに続き、5回表にレフトへ運んだ。
チェンは、大谷より1歳下の25歳だ。メジャーデビューした2019年は、28試合で1本塁打。昨シーズンは10試合に出場し、ホームランはなかった。マイナーリーグでは、2017年にAAで記録した24本塁打がシーズン最多だ。MLB.comのメンディ・ベルによると、今オフ、チェンはスウィングに変更を施したという。
ただ、開幕ロースターに入れるかどうかは、微妙なところだ。チェンは、一塁以外の内野3ポジションを守る。インディアンズの二塁と三塁には、セイザー・ヘルナンデスとホゼ・ラミレスがいる。これまで遊撃を守っていたフランシスコ・リンドーアはニューヨーク・メッツへ移ったが、インディアンズはそのトレードで、2人の遊撃手、アンドレス・ヒメネスとアーメッド・ロザリオを手に入れた(2人を手放し、4人を獲得)。現時点では、ヒメネスが遊撃に入り、ロザリオはユーティリティとなりそうだ。ロザリオがオスカー・メルカドからセンターのポジションを奪えば別だが、そうならない限り、チェンとロザリオは右打ちのユーティリティという役割がかぶる(年齢も同じ)。外野も守れる分、汎用性はロザリオが上だ。チェンとロザリオが揃ってロースター入りすることもあり得るが、これは、投手と外野手の人数に左右される。
もっとも、開幕からでなくとも、過去2シーズンと同じように、チェンはマイナーリーグから昇格し、メジャーリーグでプレーするだろう。今春の打撃からすると、台湾人選手の本塁打記録を塗り替える可能性も高い。これまでのシーズン最多は、チンラン・フーが2007年に記録した2本。通算も、フーの2本が最多だ。
なお、日本人選手のシーズン最多と通算最多は、松井秀喜の31本(2004年)と175本だ。韓国人選手では、シンス・チューの24本(2019年)と218本が最も多い。今シーズン、チューはSKワイバーンズでプレーする。それについては、こちらで書いた。