大谷翔平とこの選手が、殿堂入り確実なスラッガーに引退を決断させる!?
アルバート・プーホルス(ロサンゼルス・エンジェルス)がプレーするのは、今シーズンが最後になるかもしれない。
彼の妻がインスタグラムで発した、シーズン終了後の引退を思わせるコメントはともかく、今シーズンが終わると、プーホルスがエンジェルスと交わしている10年2億4000万ドルの契約は満了する。現在の年齢は41歳。現役最年長だ。昨シーズンの試合に出場した選手のなかに、1980年生まれは他に3人いたが、誕生日は1月16日のプーホルスが最も早い。
すでに、プーホルスは殿堂入りの切符を手にしている。3236安打と662本塁打に加え、二塁打も669本。ホームランと二塁打のどちらも650本以上は、他に誰も記録していない。ワールドシリーズ優勝も、2006年と2011年にセントルイス・カーディナルスで経験した。
妻のコメントが大きな反響を招いたことを受け、プーホルスは「シーズン終了後に決断する」と語った。MLB.comのレット・ボーリンジャーらが、報じている。この発言からすると、今シーズン次第ということだろう。
これまで、プーホルスは、控えとしてフルシーズンを過ごしたことがない。メジャーデビューした2001年も、ポジションこそ固定ではなかったが、カーディナルスの162試合中156試合(96.3%)に先発出場した。昨シーズンの先発出場はエンジェルスの60試合中38試合(63.3%)ながら、控えというよりは準レギュラー、あるいはプラトーン起用される選手だった。3試合続けてスターティング・ラインナップから外れたのは、9月3日~5日の1度しかなかった。
ただ、今シーズンの出場は、激減する可能性もある。プーホルスが守る一塁には、ジャレッド・ウォルシュがいる。ウォルシュは、今シーズンがメジャーリーグ3年目となる27歳だ。2019年も2020年も出場は35試合未満ながら、昨シーズンは9月の22試合で9本のホームランを打ち、プーホルスから一塁のポジションを奪いかけた。一方、プーホルスはシーズン全体で39試合に出場し、6本塁打に終わった。
そして、DHには大谷翔平がいる。ウォルシュと大谷は左打者、プーホルスは右打者だが、ウォルシュの「開花」が本物で、大谷が昨シーズンの不振を脱し、プーホルスの低迷――2017年以降はOPS.735以上のシーズンすらない――がこのまま続けば、一塁とDHはウォルシュと大谷で固定され、プーホルスの出場機会は、代打と、大谷が登板する日のDHに限定されるだろう。そうなれば、シーズン終了とともに、プーホルスはユニフォームを脱ぐのではないだろうか。
もう一つ、出場機会が減るかどうかにかかわらず、プーホルスが引退するシナリオとして考えられることがある。プーホルスの入団後、エンジェルスのポストシーズン進出は2014年の1度だけだ。今秋、エンジェルスが7年ぶりにポストシーズンへ進み、しかも、ワールドシリーズで優勝すれば、プーホルスはそれを有終の美として、キャリアに終止符を打つに違いない。
大谷を含む、エンジェルスの先発投手陣については、こちらで書いた。