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サイ・ヤング賞投手が加わり、菅野智之とダルビッシュ有のパドレス入団はなくなった!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
ブレイク・スネル(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 サンディエゴ・パドレスが、4選手と交換にタンパベイ・レイズからブレイク・スネルを獲得した。

 2018年のサイ・ヤング賞投手が加わり、パドレスのローテーションは、5枠中4枠が埋まった。スネル、ディネルソン・ラメットザック・デイビーズクリス・パダック。残る1枠は、ともに21歳の左腕――どちらも来年2月に22歳となる――エイドリアン・モアホンマッケンジー・ゴアが、現時点では有力だ。この6人のうち、デイビーズは来オフにFAとなるが、パドレスには、11月にトミー・ジョン手術を受けたマイク・クレベンジャーがいる。今年の夏、パドレスはクリーブランド・インディアンズからクレベンジャーを獲得した。

 先日、「ダルビッシュ有のトレードは、なぜ起こり得るのか。6年契約はあと3年残っているにもかかわらず」で書いたとおり、パドレスはこのトレードの前に、菅野智之ダルビッシュ有(シカゴ・カブス)を手に入れる可能性が報じられていた。

 スネルが加わったことで、ダルビッシュのパドレス移籍はなくなったようにも見える。クレベンジャーとスネルに続き、ダルビッシュもトレードで獲得すれば、傘下のマイナーリーグにいる有望な人材が枯渇しかねない。ちなみに、スネルもダルビッシュも、現在の契約はあと3年ずつ残っているが、その総額はスネルが3900万ドル、ダルビッシュは5900万ドルだ。一方、菅野の場合、交換に選手を放出する必要はないが、深追いはしないと思われる。

 ただ、パドレスのA.J.プレラーGMは、これまでも積極的な補強を繰り広げてきた。その動きは「プレラーパルーザ」と呼ばれたこともある。パルーザは、パーティやフェスティバル、それも、派手なものを指す。また、パドレスがいるのは、ロサンゼルス・ドジャースと同じナ・リーグ西地区だ。ドジャースは今年のワールドシリーズで優勝しただけでなく、2013年から地区優勝を8年続けている。ドジャースを上回るために、パドレスはさらなる補強を敢行するかもしれない。

A.J.プレラー
A.J.プレラー写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 ジ・アスレティックのデニス・リンによると、スネルの加入後も、パドレスはカブスとダルビッシュについて交渉を行っているらしい。CBSスポーツのR.J.アンダーソンも、同様のツイートを発している。さらに、MLBネットワークのジョン・ヘイマンとニューヨーク・ポストのジョエル・シャーマンは、ダルビッシュと捕手、ビクター・カラティニウィルソン・コントレラスを、パドレスが同時に獲得する可能性を示唆している。なお、ヘイマンによれば、ダルビッシュがトレード拒否権を持つ12球団に、パドレスは含まれていないという。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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