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ベストナインの「得票2位」には、防御率&奪三振1位や、出塁率&OPS2位も

宇根夏樹ベースボール・ライター
青木宣親(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 2020年のベストナインが発表された。受賞者は以下のとおり。得票率は、投票総数に占める得票の割合だ。セ・リーグの投票総数は313票、パ・リーグは277票。無効投票はなかった。最も得票率が高かったのは、98.2%の柳田悠岐(福岡ソフトバンクホークス)。パ・リーグの外野手3人に柳田を含めなかった投票者が、5人いたことになる。

筆者作成
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 一方、彼らに次いで得票が多かった、2位はこちら。3人選出の外野手は4~6位だ。

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 防御率と奪三振の両タイトルを手にした大野雄大(中日ドラゴンズ)の得票は、菅野智之(読売ジャイアンツ)より90票も少ない。大野と菅野は、どちらも20試合に先発。白星は菅野が多く、黒星は大野が多いが、防御率と奪三振に加え、イニング、奪三振率、与四球率、WHIPも大野が勝る。与四球は大野の方が少なく、完投と完封は大野が倍以上だ。

 セ・リーグ外野手6位の青木宣親(東京ヤクルトスワローズ)は、出塁率.424とOPS.981がリーグ2位、打率.317と長打率.557は3位だ。この4部門ともトップ3にランクインした選手は、セ・リーグには青木しかいない(パ・リーグは柳田がそう)。青木の6補殺は、鈴木誠也(広島東洋カープ)の8補殺に次ぎ、セ・リーグの外野手で2番目に多く、佐野恵太(横浜DeNAベイスターズ)と並ぶ。

 DH2位のステフェン・ロメロ(東北楽天ゴールデンイーグルス)は、24本塁打とOPS.893を記録した。一方、栗山巧(埼玉西武ライオンズ)は、12本塁打とOPS.790。打率は2人とも.272(わずかにロメロが上)、出塁率はロメロが.354、栗山は.362だ。ホームラン以外の長打も、ほとんど差がない。ロメロが21本(二塁打19本と三塁打2本)、栗山は二塁打が22本で三塁打はなかった。外野出場は、ロメロが49試合、栗山は35試合。栗山は外野手としても、1票を投じられている。

 なお、梅野隆太郎(阪神タイガース)は、3年連続2位。2018年と2019年は、會澤翼(広島東洋)に次いだ。それぞれの得票は、梅野が27票と122票、會澤は248票と167票だった。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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