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各球団トップの打者たち。柳田悠岐と鈴木誠也は「三冠王」。打率.250以上がいない球団も

宇根夏樹ベースボール・ライター
鈴木誠也 MARCH 5, 2017(写真:長田洋平/アフロスポーツ)

 今シーズン、打率、本塁打、打点の3部門とも球団トップの選手は2人いた。福岡ソフトバンクホークスの柳田悠岐(.342、29本、86打点)と、広島東洋カープの鈴木誠也(.300、25本、75打点)がそうだ。鈴木は2年連続。一方、千葉ロッテマリーンズは、3部門とも違う選手がトップに位置した。

筆者作成
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 パ・リーグは、各球団の打率1位に大きな差がある。4球団のトップはリーグ順位も5位以内だが、埼玉西武ライオンズの栗山巧(.272)と千葉ロッテの中村奨吾(.249)は、リーグのトップ10に入っていない。なかでも、中村は、パ・リーグで規定打席に達した26人中18位。下から数えた方が早い。

 順位だけでなく、中村は打率自体も.250に届かなかった。千葉ロッテで規定打席以上の他3人は、さらに低かったということだ。井上晴哉が.245、レオネス・マーティンが.234、安田尚憲は.221。もっとも、4人とも、四球率は10%を超えた。中村の出塁率は打率より92ポイント高く、他3人は100ポイント以上も上回った。

 また、本塁打1位が20本未満は、各リーグに1球団。オリックス・バファローズは16本のT-岡田、中日ドラゴンズは17本のダヤン・ビシエドが最も多かった。両球団とも、球団1位と2位――オリックスは14本の吉田正尚、中日は13本の阿部寿樹――の本数を合計しても、リーグの本塁打王に及ばない。中日は、OPS.800以上の選手もいなかった。

 なお、打率とOPSは規定打席以上を対象としたが、ハードルを下げて300打席以上とすると、東北楽天ゴールデンイーグルス、読売ジャイアンツ、広島東洋の打率1位は、それぞれ、茂木栄五郎(.301)、中島宏之(.297)、西川龍馬(.304)となる。OPS1位の変動はなし。横浜DeNAベイスターズのタイラー・オースティンはOPS.969を記録したが、欠場が多く、269打席にとどまった。

 オースティンのパワーについては、こちらに書いた。

来シーズンは本塁打王!? 横浜DeNAのオースティンが記録した「量産ペース」は両リーグ1位

 昨シーズンの球団トップはこちら。

【球団別・打撃リーダーズ 2019】「チーム三冠王」は4人。15本塁打未満の「チーム本塁打王」も

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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