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日本シリーズMVPに最も近いのは…。栗原陵矢、中村晃、デスパイネ、グラシアル…

宇根夏樹ベースボール・ライター
日本シリーズMVPは、早ければ今日決まる(写真:GYRO PHOTOGRAPHY/アフロイメージマート)

 現時点における、日本シリーズMVPの最有力候補は、栗原陵矢(福岡ソフトバンクホークス)だろう。ここまで3試合の打率.636(11打数7安打)、出塁率.692、長打率1.091は、5打席以上に立った両チームの18人中トップだ。打点に関しては、第1戦に挙げた4打点がすべてだが、第2戦の4安打は、いずれもそのイニングの得点につながった。

 栗原に次ぐのは、チームメイトの3人、中村晃アルフレド・デスパイネジュリスベル・グラシアルか。なかでも、中村は栗原と甲乙つけ難い。栗原は第1戦にチームの5得点中4点、中村は第3戦に4得点中3点を叩き出した。ただ、シリーズ最初の試合と2勝0敗で迎えた3試合目では、重みが違う気がする。中村も第1戦に1打点を記録しているが、福岡ソフトバンクはそれまでに4点リードしていた。また、中村の打率.364(11打数4安打)、出塁率.417、長打率.636は、いずれも、栗原だけでなくグラシアルも下回る。打率と出塁率は、柳田悠岐よりも下だ。

 中村と同じく、グラシアルも2試合で打点を挙げているが、こちらは、第2戦も第3戦も追加点だった。デスパイネの6打点は両チーム最多ながら、第1戦と第3戦の打点はなく、3試合の打率と出塁率は.190にも達していない。

筆者作成
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 投手の候補を挙げるなら、第3戦に7イニングを投げ、読売ジャイアンツを無安打に封じたマット・ムーアだろうが、シリーズ1登板でMVPは考えにくい。

 なお、読売では、ゼラス・ウィーラーが3打点を挙げている。これは、チームのシリーズ全得点だ。もっとも、読売の選手がMVPに選ばれるのは、ここから4連勝した場合。万が一、そうなるとしても、有力候補を挙げるのはまだ早すぎる。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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