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パの防御率トップ6は、それぞれ違う6球団の投手。これは何年ぶり何度目の椿事!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
千賀滉大 MARCH 15, 2017(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

 今シーズン、パ・リーグの防御率トップ6には、それぞれ違う球団の投手が並んだ。1位から順に、福岡ソフトバンクホークスの千賀滉大(2.16)、オリックス・バファローズの山本由伸(2.20)、北海道日本ハムファイターズの有原航平(3.46)、東北楽天ゴールデンイーグルスの涌井秀章(3.60)、埼玉西武ライオンズの高橋光成(3.74/高は梯子高)、千葉ロッテマリーンズの美馬学(3.95)の6人だ。

 セ・リーグでは、横浜DeNAベイスターズと東京ヤクルトスワローズの投手が、トップ6に入っていない。両球団とも、規定投球回に達した投手は皆無。横浜DeNAの大貫晋一は防御率2.53ながら113.2イニングにとどまり、東京ヤクルトの小川泰弘は規定投球回まであと1イニングだったが、防御率は4.61と高かった。

 各球団のエースが揃い踏みすれば、今年のパ・リーグのようなことが起きても、不思議ではない気もする。だが、実際には極めて珍しい。

 これまで、防御率の上位6人がすべて異なる球団の投手というシーズンは、1リーグ時代を含めても、1953年のパ・リーグしかなかった。こちらは、西鉄ライオンズの川崎徳次(1.98)、近鉄パールスの黒尾重明(2.02)、大映スターズの姫野好治(2.06)、毎日オリオンズの荒巻淳(2.14)、南海ホークスの大神武俊(2.23)、阪急ブレーブスのルーファス・ゲインズ(2.53)がそうだ。

 ただ、1953年のパ・リーグは7球団だった。防御率7位は東急フライヤーズの投手ではないので、防御率の上位――1位から球団数と同じ順位まで――に全球団の投手が並んだのは、今年のパ・リーグが初ということになる。

 一方、同じ球団の投手がトップ6を独占したシーズンはないものの、2球団による寡占は1度だけある。1962年のパ・リーグは、東映フライヤーズの4投手、久保田治(2.12)、安藤元博(2.32)、土橋正幸(2.38)、尾崎行雄(2.43)が、それぞれ1位、3位、4位、6位、西鉄の稲尾和久(2.30)と若生忠男(2.42)が、2位と5位にランクインした。

 なお、1962年のパ・リーグのような、トップ6のうち4人がチームメイトは、他に2度。1983年のパ・リーグは、西武ライオンズの投手が1~3位と6位に位置し、1990年のセ・リーグは、読売ジャイアンツの4投手が1~4位を独占した。

筆者作成
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ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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