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大野雄大が完投しても、自責点2以上なら、森下暢仁が防御率1位に

宇根夏樹ベースボール・ライター
昨シーズン、大野雄大はリーグ1位の防御率2.58を記録した(写真:GYRO PHOTOGRAPHY/アフロイメージマート)

 大野雄大(中日ドラゴンズ)が、11月5日の試合に登板する。すでにリーグ優勝が決まり、今シーズンはAクラスでもポストシーズンには進めない――セ・リーグはクライマックス・シリーズを開催しない――ことからすると、登板には疑問も残るが、予告先発には大野の名前が出ている。

 現在、大野の防御率は、リーグ1位の1.91だ。ただ、2位の森下暢仁(広島東洋カープ)も1.91。その差は、ほとんどない。1.90588と1.90761だ(小数点第6位を四捨五入)。

 11月5日の試合で大野が自責点0なら、当然ながら1位のまま。自責点2だと、9イニングを投げても防御率1.91150なので、森下が1位となる。自責点が2より多くても同じだ。

 自責点1の場合は、イニングによって異なる。4.2イニング以上なら大野が1位、4.1イニング以下だと森下が1位となる。

筆者作成
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 ちなみに、防御率2.03で3位の西勇輝(阪神タイガース)も、11月5日に大野とは違う球場でマウンドに上がるが、9イニングを投げて自責点0でも、防御率は1.91613だ。変動する大野はともかく、森下を追い抜くことはできない。

 大野が投げ終えて1位のままなら、森下は逆転を狙い、残る3試合、11月7日、10日、11日のいずれかに登板するのではないだろうか(広島東洋のAクラス入りはなく、11月5日を含む4試合すべてに勝てば勝率.500だが、森下がプロ1年目であることを考えると、個人的には登板すべきだとは思わない)。大野が9イニングを投げて自責点0だと、防御率は1.79204。森下は自責点0で8イニングを投げると、防御率1.79082となって大野を下回る。

 11月7日あるいは10日に森下が大野を逆転した場合、大野は5日を最終登板とせず、もう一度投げるかもしれない。11月8日以降、中日は残り1試合。11日しかない。この日、中日は広島東洋と対戦する。広島東洋も120試合目だ。先発かリリーフかはさておき、シーズン最後の試合で大野と森下が投げ合い、防御率のタイトルホルダーが決まることもあり得る。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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