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今年のワールドシリーズで、筒香嘉智よりも出番の少なかった選手はいた!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
C.ベリンジャーとM.ベイティ(背番号「45」) Oct 27, 2020(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ワールドシリーズにおいて、筒香嘉智(タンパベイ・レイズ)の出番はほとんどなかった。第3~5戦に、それぞれ代打として起用され、二塁ゴロ、三振、レフト・フライ。これですべてだ。それまでの3シリーズは、計5試合に出場して13打数2安打。どのシリーズも、先発出場が1試合あった。

 筒香のワールドシリーズ出場3試合は、レイズの野手15人の最少タイだが、3打席はそうではない。同じく出場3試合の2人のうち、ブレット・フィリップスは1打席のみ。マイケル・ペレスは打席に立たなかった。

 もっとも、彼らと筒香は、役割が異なる。フィリップスは代走&外野の守備要員、ペレスは捕手だ。フィリップスは3試合とも代走で起用され、最初の2試合は守備にもついた。さらに、打順が回ってきた第4戦は、サヨナラ勝ちを呼ぶヒットも打った。ペレスは3試合とも、マイク・ズニーノが交代した後にマスクをかぶった。最初の2試合はズニーノ→筒香(代打)→ペレス、3試合目はズニーノ→フィリップス(代走)→ペレスだ。

 一方、レイズを下したドジャースには、ワールドシリーズのロースターにいながら、まったく出場しなかった選手もいた。マット・ベイティがそうだ。投手を含む両チームの計56人中、ベイティを除く55人は、少なくとも1試合に出場した。

 一塁とレフトを守るベイティは、リーグ・チャンピオンシップ・シリーズの2試合で計3打席に立ち、死球、死球、四球でいずれも出塁したが、ワールドシリーズの出場機会は巡ってこなかった。ワイルドカード・シリーズとディビジョン・シリーズもロースターにはいたものの、この2シリーズも出場はしていない。

 とはいえ、ベイティもワールドシリーズ優勝メンバーの一人だ。優勝後、ベイティは「世界中で最高のチーム!」とツイート。妻のジェシカは、写真を2枚、高校時代の2ショットと優勝トロフィーを持つ2ショットを並べ、「こうして始まり、こうなった(ハート)」と綴った。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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