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稀な打点の組み合わせ。ワールドシリーズで1試合に「スクイズ&本塁打」は史上2人目

宇根夏樹ベースボール・ライター
オースティン・バーンズ/捕手はマイク・ズニーノ Oct 23, 2020(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 オースティン・バーンズ(ロサンゼルス・ドジャース)は、ワールドシリーズ第3戦に「9番・捕手」として出場し、2打席続けて打点を挙げた。4回表に犠牲バントで三塁走者を生還させ、6回表にソロ本塁打を打った。

 ベースボール・リファレンスによると、ワールドシリーズで同じ試合に犠牲バントとホームランの両方を記録した選手は、バーンズが15人目(延べ16人目)だという。昨年のワールドシリーズで、アダム・イートン(ワシントン・ナショナルズ)が第2戦と第6戦に記録した。

 彼らのうち、ホームランだけでなく犠牲バントでも打点を挙げたのは、1961年のヘクター・ロペスと今年のバーンズだけだ。当時、ニューヨーク・ヤンキースでプレーしていたロペスは、第5戦に「7番レフト」として出場し、1回表に三塁打を打って1打点を挙げたのに続き、4回表にホームランで3打点、6回表にスクイズで1打点を記録した。ヤンキースは、この試合で優勝を決めた。

 ロペスもバーンズも、スクイズ&ホームランの試合は他にない。

 ロペスは、レギュラーシーズン(1955~66年)に136本のホームランを打ち、48本の犠牲バントを決めた。そこには、スクイズも含まれている。また、スクイズではないものの、カンザスシティ・アスレティックス時代には、1955年と1958年に1試合ずつ、犠牲バント&ホームランを記録している。ポストシーズン(1960~64年)では、どちらも1961年の1本だけだ。

 一方、2015年にデビューしたバーンズは、レギュラーシーズンのホームランが18本、犠牲バントは4本。両方を記録した試合はないが、犠牲バントのうち2本はスクイズだ。ポストシーズン(2016~18年と2020年)の犠牲バントは今回が初めて。ホームランは2017年のディビジョン・シリーズ第3戦にも打っている。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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