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リーグ最高勝率の両チームが対戦するワールドシリーズは、3地区制となってから4度目。これまでの結果は…

宇根夏樹ベースボール・ライター
ジョー・ケリー OCTOBER 26, 2013(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 今年のワールドシリーズは、ナ・リーグとア・リーグのレギュラーシーズン最高勝率チームが対戦する。レギュラーシーズンの60試合で、ロサンゼルス・ドジャースは勝率.717(43勝17敗)、タンパベイ・レイズは勝率.667(40勝20敗)を記録した。30チーム中、勝率が.600を超えたのは、この2チームだけだ。

 1968年までのリーグは地区に分かれておらず、リーグ最高勝率=リーグ優勝=ワールドシリーズ進出だった。1リーグ2地区の1969~93年も、ワールドシリーズの前にはリーグ・チャンピオンシップ・シリーズしかなく、リーグ最高勝率チームがワールドシリーズへ進む確率は、計算上では50.0%あった(ストライキにより、シーズンが前期と後期に分かれた1981年を除く)。だが、1994年から1リーグ3地区となり(1994年はストライキでシーズンが打ち切られ、ポストシーズンは開催されなかった)、確率は25.0%に下がった。

 1995年以降、それぞれのリーグ最高勝率チームが対戦したワールドシリーズは、1995年と1999年、2013年の3度だ。4度目となる今年の場合、1リーグにつき8チームがポストシーズンへ進み、どのチームもワイルドカード・シリーズからスタートした。ワールドシリーズ進出の確率は、12.5%だったということになる。

 これまでの3度のうち、1995年と1999年は勝率の低い方のチーム、前者はアトランタ・ブレーブス、後者はニューヨーク・ヤンキースが優勝している。2013年は両チームとも同じ勝率。ボストン・レッドソックスがセントルイス・カーディナルスを下した。この時のレッドソックスには、上原浩治田澤純一がいた。一方、敗れたカーディナルスには、現ドジャースのジョー・ケリーが在籍していた。メジャーリーグ2年目だったケリーは、1勝1敗で迎えた第3戦の先発マウンドに上がり、5.1イニングを投げて2失点。自身に勝敗はつかなかったが、カーディナルスはこの試合に勝った。その5年後、ケリーはレッドソックスのリリーバーとして、ワールドチャンピオン・リングを手にした。このシリーズは5試合すべてに登板し、ドジャースに得点を許さなかった。

筆者作成
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 なお、1969~93年にリーグ最高勝率チームが対戦したワールドシリーズは8度。レギュラーシーズンの勝率が高いチームと低いチームが、それぞれ4度ずつシリーズを制した。

 また、どちらもリーグ・チャンピオンシップ・シリーズを4勝3敗で勝ち上がったチームによるワールドシリーズは、2地区制の時代を含め、今年が3度目。過去の2度はいずれも、ワイルドカードのチームがリーグ最高勝率チームを破った。2003年はフロリダ・マーリンズが4勝2敗でヤンキースが下し、2004年はレッドソックスがカーディナルスをスウィープした。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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