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まだ出ていない「1試合5長打」の組み合わせは何通り!? 史上15人目は二塁打2本&ホームラン3本

宇根夏樹ベースボール・ライター
アレックス・ディッカーソン(サンフランシスコ・ジャイアンツ)Sep 1,2020(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 9月1日、サンフランシスコ・ジャイアンツの3人、アレックス・ディッカーソンドノバン・ソラーノブランドン・クロフォードは、それぞれ6打点を挙げた。同じ試合でチームメイトの3人が揃って6打点以上は、史上初のことだ。

 なかでも、ディッカーソンは、2本の二塁打と3本のホームランを打ち、史上最多タイの1試合5長打を記録した。こちらは、史上15人目だ。

筆者作成
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 1試合5長打の組み合わせは、二塁打5本、三塁打5本、ホームラン5本を含め、21通りある。それらのうち、達成されているのは3分の1の7通り。二塁打1本&三塁打4本(1度)、二塁打3本&三塁打2本(1度)、二塁打1本&三塁打3本&ホームラン1本(1度)、二塁打4本&ホームラン1本(1度)、二塁打1本&ホームラン4本(3度)、二塁打3本&ホームラン2本(5度)、二塁打2本&ホームラン3本(3度)だ。

 まだ出ていない14通りの組み合わせのうち、12通りは三塁打が1本以上含まれている。二塁打は8通り、ホームランは10通りだ。1900年以降に1試合5長打を記録した12人は、いずれも二塁打とホームランの組み合わせ。三塁打を含む5長打は、誰もいない。それに対し、19世紀の3人は少なくとも2本の三塁打を打ち、5長打を記録している。サンプル数としてはわずかながら、三塁打の減少が、ここにも垣間見える。

 なお、1900年以降の12人中、長打を5本打った後、打席に入ったのは、2008年7月30日のケリー・ショパックだけだ(19世紀の3人は不明)。もっとも、ショパックの場合も、5本目の長打は9回裏に打ったホームラン。9イニングで長打6本のチャンスは、巡ってこなかった。その後の2打席は、敬遠四球(10回裏)と三振(12回裏)だった。

 また、2017年9月3日のホゼ・ラミレス(クリーブランド・インディアンズ)は、8回表に二塁打を打ったところで、ジオ・アーシェラ(現ニューヨーク・ヤンキース)と交代した。アーシェラは、9回表に回ってきた打席で四球を選んだ。2018年7月20日のマット・カーペンター(セントルイス・カーディナルス)に至っては、6回表の終了とともに試合から退いた。それについては、こちらで書いた。

1試合に2つのメジャーリーグ記録。「1試合5長打」と「野手3人の登板」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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