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ダース・ベイダーならぬ「ダース・ヘイダー」は無敵!? 今シーズンの被安打はいまだゼロ

宇根夏樹ベースボール・ライター
ジョシュ・ヘイダー(ミルウォーキー・ブルワーズ)Aug 16, 2020(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ミルウォーキー・ブルワーズが8月26日に発表した「ニューズ&ノーツ」には、こんな記述がある。「ジョシュ・ヘイダーは、シーズン最初の9登板とも1イニング以上を投げ、いずれもヒットを許さなかった史上2人目の投手だ。彼が並んだビリー・ワグナーは、2008年にニューヨーク・メッツで記録。ワグナーは10登板目にヒットを打たれた」

 次の登板も、ヒットを打たれずに3アウト以上を取れば、ヘイダーはワグナーを上回る。この記述の見出しは「ダース・ヘイダー」だ。

 ヘイダーは、シーズン初登板の7月27日から9登板目の8月25日まで、計9.1イニング――5登板目の8月14日が1.1イニング、他は各1イニング――を投げて、被安打ゼロ、与四球5、与死球1。13三振を奪い、失点はなし。引き継いだ走者1人とタイブレイクのオートマティック・ランナー1人も生還させることなく、7度のセーブ機会で7セーブを挙げている。

 9登板目がルーカス・ジオリト(シカゴ・ホワイトソックス)のノーヒッターと同日だったせいか、あまり注目されなかった気もするが、日本プロ野球で平良海馬(埼玉西武ライオンズ)が記録した、開幕から9イニングの「ノーヒッター」を、ヘイダーも達成した。

筆者作成
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 ちなみに、平良の「ノーヒッター」は、10登板(6月20日~7月17日)の計9.2イニングだ。11登板目の7月19日は、ヒットを打たれる前に奪三振で1アウトを記録したが、その0.1イニングは含めていない。10登板の内容は、与四球7、与死球1、奪三振13、3ホールド。シーズン初登板が0.2イニングで、その後の9登板はそれぞれ1イニングを投げた。

 なお、ワグナーの「ノーヒッター」は、9登板とも1イニングずつだった。各登板1イニング以上という条件を外せば、開幕から9試合以上に登板し、計9イニング以上にわたってヒットを打たれなかったリリーバーは、ワグナーとヘイダーの他にもいる。例えば、1987年のジョン・フランコは、11登板の計10.2イニングで被安打ゼロ。1998年のブラッド・クロンツは9登板の計11.2イニング、2017年のジャスティン・ウィルソン(現メッツ)は11登板の計9.2イニングだ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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