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ベッツが6度目の「1試合3本塁打」でMLB最多に並ぶ。NPBにはその上がいて…

宇根夏樹ベースボール・ライター
ムーキー・ベッツ(ロサンゼルス・ドジャース)Aug 13, 2020(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 8月13日、ムーキー・ベッツ(ロサンゼルス・ドジャース)が、3打席続けてホームランを打った。1試合3本塁打は通算6度目。ジョニー・マイズサミー・ソーサが持つ、メジャーリーグの最多記録に並んだ。

筆者作成
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 ベッツはロング・ヒッターではなく、オールラウンダーだ。シーズン本塁打は、2018年の32本が最多。この年、ア・リーグのMVPを受賞したベッツは、30-30を達成し、打率.346で首位打者を獲得したのに加え、過去2年に続いてゴールドグラブに選ばれた。ゴールドグラブは2019年も受賞したので、4年連続だ。

 とはいえ、まだ27歳。6度の1試合3本塁打にとどまらず、さらに記録を伸ばしていってもおかしくない。今シーズンの開幕直前に、ベッツはドジャースと12年3億6500万ドルの延長契約を交わした。この契約は、来シーズンから2032年まで続く。

 一方、日本プロ野球には、1試合3本塁打を8度記録した選手がいる。1988年から1995年まで近鉄バファローズでプレーした、ラルフ・ブライアントだ。1988年に2度、1989年に4度、1990年と1993年に1度ずつ。通算6度目となった1989年10月12日の3本は、伝説の域に達している。この日はダブルヘッダーが行われ、ブライアントは2試合目にもホームランを1本打った。ブライアントのこの4発がなければ、近鉄のリーグ優勝はなく、前年と同じく僅差の2位に終わっていただろう。

 ちなみに、ブライアントは日本プロ野球の773試合で259本のホームランを記録したが、メジャーリーグでは1985~87年の79試合で8本しか打てなかった。1試合3本どころか、1試合2本もなかった。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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