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MLBで三塁打を打った日本人選手は、秋山翔吾が15人目。なかには、NPBの通算本数より多い選手も

宇根夏樹ベースボール・ライター
秋山翔吾(シンシナティ・レッズ)Jul 28, 2020(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 8月8日、代打として起用された秋山翔吾(シンシナティ・レッズ)が、メジャーリーグ(MLB)初の三塁打を打った。打球はライトの右奥へ転がっていき、秋山は滑り込むことなく、三塁に到達した。

 MLBで三塁打を打った日本人選手は、秋山が15人目だ。そのなかには、日本プロ野球(NPB)で記録した本数を上回る選手もいる。

筆者作成
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 1人目の野茂英雄は、NPBでは一度も打席に立たなかった。NPBで投げたのは1990~94年。パ・リーグの近鉄バファローズに在籍していて、当時は交流戦がなかった。5人目の石井一久も、NPBで三塁打は打っていない。長打は二塁打が5本とホームランが3本。計8本とも、2002年にメジャーデビューする前に記録し、2006年にNPBへ戻ってからの長打はなかった。石井はMLBで長打をもう1本、2004年にホームランを打った。野茂の長打は19本。三塁打以外は、二塁打14本とホームラン4本だ。

 野手では、イチロー大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)が、MLBにおいてNPB時代よりも多くの三塁打を打っている。2人とも、本数だけでなくペースも速い。イチローの場合、二塁打とホームランのペースは大幅にダウンしたが、大谷はそうではない。二塁打のペースは、NPB時代の14.8打数に1本に対し、MLBでは17.5打数に1本とやや落ちているものの、ホームランは21.6打数/本と17.5打数/本だ(MLBの二塁打と本塁打はどちらも43本)。長打全体としても、8.5打数/本と8.1打数/本なので、わずかながらペースは上がっている。

 なお、秋山は、MLBでまだホームランを打っていない。田口壮、石井、川崎宗則(崎の右上は大ではなく立)も、MLB初のホームランよりも三塁打が先だった。ちなみに、秋山と同じくMLB1年目の筒香嘉智(タンパベイ・レイズ)は、開幕戦にホームランを打っている。

 安打や二塁打、ホームランなど、日本人メジャーリーガーの初については、2015年にこちらで書いた。

日本人メジャーリーガーの初記録【打撃・走塁編】日本人選手の初ヒットは、今からちょうど半世紀前

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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