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全員「二世選手」の内野カルテット。4人の父は計1014本塁打&203セーブ

宇根夏樹ベースボール・ライター
キャバン・ビジオ(トロント・ブルージェイズ)Jul 24, 2020(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 7月24日の開幕戦で、トロント・ブルージェイズは、全員が「二世選手」の内野カルテットを結成した。ブラディミール・ゲレーロJr.が一塁、キャバン・ビジオが二塁、ボー・ビシェットが遊撃、トラビス・ショウが三塁を守った。それぞれの父は、ブラディミール・ゲレーロクレイグ・ビジオダンテ・ビシェットジェフ・ショウだ。

 MLBスタッツのツイートによれば、同じユニフォームを着て先発出場した内野手4人が、いずれもメジャーリーガーの息子というのは、2012年6月1日のカルテット、右から反時計回りに、スコット・バンスライクジェリー・へアストンJr.ディー・ゴードン(現シアトル・マリナーズ)、イバン・デヘススJr.に続き、史上2組目だという。最後に「h/t: @EliasSports」と記してあることからすると、イライアス・スポーツ・ビューローの情報らしい。

 こちらのカルテットは、ロサンゼルス・ドジャースで形成された。それぞれの父は、アンディ・バンスライクジェリー・へアストントム・ゴードンイバン・デヘススだ。へアストンJr.は祖父のサム・へアストンもメジャーリーガーだったので「二世選手」ではなく「三世選手」だが、父がメジャーリーガーということに変わりはない。

 この2組の父たちは、どちらも野手3人と投手1人。8人とも、メジャーリーグで10年以上にわたってプレーした。ただ、打撃成績の「合計」は、かなりの差がある。ドジャースのカルテットの父4人が計3167安打&215本塁打であるのに対し、ブルージェイズのカルテットの父4人は計7559安打&1014本塁打。盗塁も、443と747だ。もっとも、ドジャースの4人が内野カルテットを結成した試合は、トニー・グウィンの同名の息子も先発出場し、彼らの後ろでセンターを守った。グウィンの父の3141安打と135本塁打を足しても、ブルージェイズのカルテットの父4人には及ばないが、盗塁は443+319=762となる。

筆者作成
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 ドジャースの4人がカルテットを形成したのは、1試合だけ。ブルージェイズも、7月25日はこのカルテットではなかった。ゲレーロJr.がDHとして出場し、ショウが一塁に回り、三塁にはサンティアゴ・エスピナルが入った。だが、ドジャースのカルテットと違い、ブルージェイズの「二世選手」によるカルテットは、2試合目以降があるだろう。

 また、ドジャースの4人の打順は、デヘススJr.が2番、へアストンJr.が4番、バンスライクが5番、ゴードンが8番(グウィンJr.は1番)だったが、ブルージェイズの4人は、1番のビシェットから、ビジオ、ゲレーロJr.、4番のショウまで、打順もつながっていた。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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