田中将大が防護キャップを着用。頭部直撃のライナーを打ったのはフェイス・ガード付きヘルメットを広めた…
今シーズン、田中将大(ニューヨーク・ヤンキース)は、防護素材をインサートしたキャップをかぶり、マウンドに上がりそうだ。ESPNのウィリアム・ワインボームが発表した記事によると、田中は7月21日の打撃練習に登板した際に防護キャップを着用。公式戦でも使うつもりだと語ったという。
7月4日に、田中は頭部にライナーを受けた。この打球は、チームメイトであるジャンカルロ・スタントンが打ったものだ。
ヘルメットにフェイス・ガードの「Cフラップ」を装着している打者は多く、日本プロ野球でも珍しくない。けれども、スタントンが使い始めた当時は、そうではなかった。スタントンの他には、2013年から使用しているジェイソン・ヘイワード(現シカゴ・カブス)くらいしかいなかった。ヘイワードの前にも使用者はいたが――1980年代の終盤にはテリー・スタインバックが使っていた――今日のように浸透したのは、スタントンの存在が大きかったような気がする。
スタントンは、2014年の夏に投球を顔面に受け(死球ではなくスウィングのストライクと判定された)、復帰した翌年からフェイス・ガード付きヘルメットをかぶり始めた。最初はアメリカン・フットボールのヘルメットに近いフェイス・ガードだったが、その後、「Cフラップ」に変更した。
防護キャップも、田中が最初ではないが、普及しているとは言い難い。その人数は、頭部に打球を受けたことのあるマット・シューメイカー(現トロント・ブルージェイズ)ら、数えるほどだ。田中が防護キャップをかぶって投げ、好成績を残せば、それに続いて使用者も増えていくのではないだろうか。そうなることを願いたい。
田中を直撃したスタントンの打球の球速は、チームメイトのジェームズ・パクストンが記者たちに語った情報によると、112マイルだったという。そのとおりだとすれば、田中だけでなく、どの投手が投げる速球よりも速い。また、打者の場合、自分に向かってではなくとも、ボールが自分の近くへ来ることはわかっているが、投手はそうではない。