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3アウトになってもイニングは終わらず、次の打者にホームランを打たれる

宇根夏樹ベースボール・ライター
ビンス・ベラスケス(フィラデルフィア・フィリーズ)Jul 20, 2020(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 7月20日、ビンス・ベラスケス(フィラデルフィア・フィリーズ)は5回裏を無失点で切り抜けたはずだった。1死一塁から、DJ・ラメイヒュー(ニューヨーク・ヤンキース)を併殺打に仕留めた。2アウト目と3アウト目だ。けれども、イニングはそこで終わらなかった。ベラスケスは、ラメイヒューに続いて打席に入ったアーロン・ジャッジに、ホームランを打たれた。

 これは、サマー・キャンプ(スプリング・トレーニング2.0)最後の試合だったことに起因する。予定していた投球数にベラスケスが達しておらず、ジョー・ジラルディ監督はもう少し投げさせたかった。おそらく、6回裏以降に登板させる投手も決めていたのだろう。それにより、3アウト後のホームランが生まれた。打ったジャッジもとまどいがあったようで、二塁を回ったところでダグアウトへ戻りかけ、三塁コーチに促され、再びゆっくりと走り始めた。

 エキシビション・ゲームなので、ヤンキースも文句は言わない。そもそも、この試合でルールを外れていたのは、3アウト後のイニング続行だけではなかった。フィリーズのラインナップには「エクストラ・ヒッター」として、打順10番にアレック・ボームが入っていた。また、7回表にはラメイヒューに代わってタイラー・ウェイドが二塁の守備についたが、ラメイヒューも「エクストラ・ヒッター」となり、ウェイドの直後の打順に入った。

 ちなみに、ベラスケスとジャッジは、公式戦で対戦したことがある。2018年6月25日に3打席。結果は、三振とセンター・フライ、そして、ホームランだった。【追記:7/21】この日は、三振、三振、そして、ホームランだ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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