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ボーアの「無安打」はどこまで続く。開幕からの最長記録はまだ遠いが…

宇根夏樹ベースボール・ライター
ジャスティン・ボーア Aug 22, 2018(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 開幕からの連続無安打は、41打席が最も長い。1969年に西鉄ライオンズの浜村健史が記録し、昨シーズン、廣岡大志(東京ヤクルトスワローズ)が並んだ。

 それと比べれば、ジャスティン・ボーア(阪神タイガース)の連続無安打は、まだ半分以下の16打席だ。ボーアは、ロサンゼルス・エンジェルスでプレーした昨シーズンも、最初の15打席は無安打だった。シーズンの途中からであれば、無安打の打席がもっと長く続いたこともある。昨シーズンは、7月3日から12日にかけて、18打席続けて無安打に終わった。それよりも前のシーズンには、20打席以上の連続無安打も、何度か記録している。

 ただ、現在継続中の連続無安打については、懸念すべき点がある。

 過去4シーズンとも、ボーアの四球率――全打席に占める四球の割合――は10.0%以上だった。4シーズンのトータル四球率は、ボーアが12.3%、メジャーリーグ全体は8.4%だ。ボーアの四球率は、このスパン(2016~19年)に1400打席以上の214人中、上から30番目に位置する。

 昨シーズンの開幕から15打席無安打は、7打席目と8打席目、10打席目が四球だった。8打席目の四球は押し出しなので、打点もついた。夏に記録した18打席連続の無安打も、四球の2打席を含んでいる。

 ところが、現在のボーアは、ヒットだけでなく四球も皆無。パワーはもちろんのこと、もう一つの長所も発揮できていない。今までとは違う環境でプレーしていることも踏まえると、まだ4試合とはいえ、事態は深刻かもしれない。

 もっとも、こういう見方もできる。ホームランや他のヒットによるものではなくても、四球を選んで来日初の出塁を記録すれば……。それをきっかけに、調子は上向く可能性もある。

 なお、廣岡は、6月19日の開幕戦に代走として起用され、10回裏に回ってきたシーズン最初の打席でヒットを打った。

【追記:6/24】ボーアと対照的なスタートを切ったヘラルド・パーラ(読売ジャイアンツ)について、こちらで書いた。

パーラの「好スタート」はどこまで続く。シーズン最初の4試合で打率5割以上は初めて

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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