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45本以上のホームランを打ちながら「本塁打王」になれなかった選手。最多は50本塁打の…

宇根夏樹ベースボール・ライター
アレックス・カブレラ MARCH 7, 2008(写真:アフロスポーツ)

 2018年に40本以上のホームランを打った2人、47本の山川穂高(埼玉西武ライオンズ)と41本のネフタリ・ソト(横浜DeNAベイスターズ)は、どちらも本塁打王を獲得した。一方、2019年に40本塁打以上の3人中、ともに43本の山川とソトは続けてタイトルを手にしたが、40本の坂本勇人(読売ジャイアンツ)はソトに次ぐセ・リーグ2位に終わった。

 40本塁打以上でタイトルを逃した選手は、少なくない。昨シーズンの坂本は延べ48人目だ。40本塁打以上を記録した延べ121人中、39.7%は本塁打王になれなかった。また、彼らのうち延べ9人は、45本以上のホームランを打った。45本塁打以上は延べ44人なので、タイトルに手が届かなかった割合は20.5%となる。

筆者作成
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 アレックス・カブレラは、45本塁打以上でタイトルを逃したシーズンが2度。2001年は49本のホームランを打ち、2003年は50本の大台に達したにもかかわらず、どちらのシーズンも、後にチームメイトとなるタフィー・ローズの後塵を拝した。2003年のカブレラは、パ・リーグ3位の城島健司と16本差。セ・リーグの本塁打王、アレックス・ラミレスタイロン・ウッズと比べても、10本多かった。

 1974年に田淵幸一が記録した45本塁打も、王貞治より4本少ないとはいえ、それ以外の選手からは抜きん出ていた。パ・リーグを含めても、40本塁打以上はこの2人だけ。セ・リーグの3位は35本のジーン・マーチン、パ・リーグの本塁打王は38本のクラレンス・ジョーンズだった。王だけでなく田淵の本数も、それぞれのチームメイト3人の合計を上回った。

 2001年の中村紀洋は、46本塁打ながらチームのトップではなく、リーグのトップ2にも入れなかった。

 なお、45本塁打以上でタイトルを逃した選手のうち、西沢道夫クレイグ・ブラゼル以外は、違うシーズンに本塁打王を獲得している。

【追記:5/15】MLB編は、こちら。

シーズン60本塁打以上の3度とも「本塁打王」を逃した選手。50本台でタイトルなしも7人

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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