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シーズン60本塁打以上の3度とも「本塁打王」を逃した選手。50本台でタイトルなしも7人

宇根夏樹ベースボール・ライター
サミー・ソーサ Sep 23,1998(写真:ロイター/アフロ)

 1シーズンに50本以上のホームランを打ったメジャーリーガーは、昨シーズンのピート・アロンゾ(53本/ニューヨーク・メッツ)が延べ46人目だ。

 ベーブ・ルースマーク・マグワイアサミー・ソーサの3人は、シーズン50本塁打以上が4度ずつ。アレックス・ロドリゲスは3度、ジミー・フォックスラルフ・カイナーミッキー・マントルウィリー・メイズケン・グリフィーJr.の5人は2度ずつだ。バリー・ボンズの通算762本塁打は誰よりも多いが、シーズン50本以上は2001年(73本)の1度しかない。ボンズに次ぐ通算755本塁打のハンク・アーロンは、50本以上のシーズンが皆無だ。1971年の47本塁打が最も多い。

 シーズン50本塁打以上の延べ46人中、78.3%の36人は本塁打王を獲得した。タイトルを逃したのは、延べ10人(21.7%)だ。

筆者作成
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 1997年のマーク・マグワイアは、7月末にオークランド・アスレティックスからセントルイス・カーディナルスへ移ったため、シーズン全体では両リーグ最多の58本塁打ながら、移籍前の34本がア・リーグ9位、移籍後の24本はナ・リーグ22位タイ。本塁打王のタイトルは、56本のグリフィーJr.と49本のラリー・ウォーカーが手にした。

 マグワイアを除く延べ9人のうち、3分の1はソーサが占める。しかも、ソーサは3シーズンとも60本塁打以上。1998年(66本)と1999年(63本)はマグワイアに一歩及ばず、2001年(64本)はボンズに9本差をつけられた。ソーサが本塁打王を獲得したのは、2000年(50本)と2002年(49本)だ。

 ブレイディ・アンダーソングレッグ・ボーンルイス・ゴンザレスジム・トーメイの4人は、他に50本塁打以上のシーズンがなく――アンダーソンは25本以上もなく――トーメイ以外の3人は本塁打王を獲得したこともない。トーメイは2002年(52本)だけでなく、その前年(49本)もアレックス・ロドリゲスに次ぐア・リーグ2位に終わり、クリーブランド・インディアンズからフィラデルフィア・フィリーズへ移った2003年に、47本でナ・リーグの本塁打王となった。このシーズンも、ア・リーグの本塁打王はロドリゲス。ただ、その本数はトーメイと同じ47本だった。

 日本プロ野球編は、こちら。

45本以上のホームランを打ちながら「本塁打王」になれなかった選手。最多は50本塁打の…

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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