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通算安打が「同じ本数」の選手たち。「鉄人」と「世界の盗塁王」はどちらも2543安打

宇根夏樹ベースボール・ライター
堀幸一 MARCH 11 2008(写真:アフロスポーツ)

 通算安打の歴代5位には「鉄人」と「世界の盗塁王」が並ぶ。衣笠祥雄福本豊は、どちらも2543本のヒットを打った。1700安打以上で同じ本数は、他に7組を数える。

筆者作成
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 もっとも、ヒットの本数は同じでも、内訳は大きく異なる。衣笠のホームランは福本の2倍以上。その差は300本近い。一方、衣笠の三塁打は福本の5分の1だ。衣笠の504本塁打は歴代7位タイ(こちらは張本勲と並んでいる)、福本の115三塁打は歴代1位に位置する(2位の毒島章一より9本多い)。

 さらに、2157安打の広瀬叔功秋山幸二のホームランを比べると、本数は306本も違い、秋山は広瀬の3倍を超える。

 ヒットの本数が同じ8組のうち、2人のホームランと三塁打が、どちらもそう極端に違わないのは、1827安打の青田昇堀幸一だ。青田のホームランは堀の1.45倍、堀の三塁打は青田の1.09倍。この2種類とも、本数の少ない方を1.00とした場合に多い方が1.50以内に収まるのは、8組のなかで彼らだけだ。青田と堀は、単打(と長打)、盗塁の数も近い。

 ただ、青田が最後にプレーしたのは1959年、堀の一軍初出場はその30年後だ。8組中、ここまで時代がかけ離れている2人はいない。青田は1957年に22本のホームランを打ち、5度目の本塁打王を獲得した。堀は2003年に22本のホームランを打ったが、リーグのトップ10にも入らなかった。

 なお、2057安打の江藤慎一有藤道世は、1970~71年と1976年にロッテ・オリオンズでチームメイトだった。1717安打の西沢道夫小鶴誠も、1942~43年に名古屋軍でともにプレーした。また、1736安打の近藤和彦広澤克実は、2人とも明治大からプロ入りした。

 通算本塁打が同じ打者、通算勝利が同じ投手についても、それぞれこちらで書いた。

通算本塁打が「同じ本数」の選手たち。最多は張本勲と衣笠祥雄の504本。山田哲人が並んでいるのは…

通算勝利が「同じ」投手たち。215勝の2人はフォークが決め球、187勝の2人はどちらもアンダースロー

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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