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通算勝利が「同じ」投手たち。215勝の2人はフォークが決め球、187勝の2人はどちらもアンダースロー

宇根夏樹ベースボール・ライター
野村収 AUG 14, 2000(写真:築田純/アフロスポーツ)

 通算120勝以上の89投手のなかには、その白星がまったく同じという2人あるいは3人が、19組いる。最多は237勝の野口二郎若林忠志だ。彼らの白星は、通算勝利の歴代11位タイに位置する。

 次いで多いのは、215勝の杉下茂村田兆治。時代は違うものの、この2人はフォークボールを決め球として、同じ数の白星を挙げた。

筆者作成
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 3番目に多い187勝の杉浦忠足立光宏は、ともにアンダースローだった。杉浦は南海ホークス一筋、足立は阪急ブレーブス一筋。ただ、どちらの球団にも、それぞれの投手とあと1人、アンダースローが2人いた時期が存在する。まず、南海が杉浦と皆川睦雄(221勝)を擁し、それと入れ替わるように、阪急には足立と山田久志(284勝)が揃った。なお、改めて映像を見ると、杉浦と皆川はアンダースローよりもサイドスローに近い気がする。

 165勝の西本聖佐藤義則は、チームメイトとして、1993年にオリックス・ブルーウェーブで投げた。西本がオリックスに入団し、球団一筋の佐藤に合流。このシーズンが終わった時点では、西本が165勝、佐藤は148勝だった。さらに、121勝の3人のうち、高橋重行野村収は、チームメイトの時期が2度あった。彼らは、大洋ホエールズ(1969~71年)と横浜大洋ホエールズ(1978~80年)で一緒になった。その間の1972~77年も高橋は球団にいたが、野村はトレードで3度移籍し、ロッテ・オリオンズと日本ハムファイターズを経て、古巣へ戻ってきた。

 なお、133勝で並ぶ現役投手の2人、内海哲也(埼玉西武ライオンズ)と涌井秀章(東北楽天ゴールデンイーグルス)は、どちらも2005年に初勝利を挙げ、2007年のシーズン終了時点では30勝で並んでいた。だが、一時は20勝以上の差がついたこともある。2013年のシーズン終了時は、108勝の内海に対し、涌井はそれよりも23勝少ない85勝だった。そこから、毎年差が縮まっていき、133勝で再び並んだ。

 姉妹編(打者編)はこちら。

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ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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