各球団最初の「黒人選手」たち。3球団はジャッキー・ロビンソンの引退後
初めてメジャーリーグでプレーした黒人選手は、ジャッキー・ロビンソンではない。ウィリアム・エドワード・ホワイトか、モイゼス・フリートウッド・ウォーカーだと思われる。ホワイトの通算出場は、1879年6月21日の1試合。プロビデンス・グレイズ(ナ・リーグ)の一塁手として出場した。ウォーカーは1884年5月1日にトレド・ブルーストッキングス(アメリカン・アソシエーション)の捕手としてデビューし、この年の9月に解雇されるまで、42試合に出場した。アメリカン・アソシエーションは、1882年から1891年まで存在したリーグだ。デビューはホワイトが先だが、彼の場合、アフリカン・アメリカンとして認識されていたかどうかに疑問が残る。
いずれにせよ、ロビンソンよりも半世紀以上前のことだ。ロビンソンは、1947年4月15日にブルックリン・ドジャースからデビューした。ウォーカーの弟であるウェルディ・ウォーカーも、兄のチームメイトとして5試合に出場している。
また、ロビンソンの登場後も、黒人選手の起用については、各球団に温度差があった。フィラデルフィア・フィリーズ、デトロイト・タイガース、ボストン・レッドソックスにおける黒人選手の初出場は、いずれもロビンソンの引退後だった。ドジャース一筋にプレーしてきたロビンソンは、1956年12月にニューヨーク・ジャイアンツへトレードされることが決まると、それを受け入れずにユニフォームを脱いだ。
なお、最初の黒人選手がアフリカン・アメリカンではない球団も、いくつかある。シカゴ・ホワイトソックスのミニー・ミノーソとワシントン・セネタースのカルロス・ポーラは、どちらもキューバン。シンシナティ・レッズのニノ・エスカレーラはプエルトリカンで、デトロイト・タイガースのオジー・バージルはドミニカンだ。