各球団最後のMVPとサイ・ヤング賞。マリナーズはイチローとキング。一方の受賞者がまだ誰もいない球団も
2001年のイチローを最後に、シアトル・マリナーズからMVPは出ていない。サイ・ヤング賞も、2010年にフェリックス・ヘルナンデス(現アトランタ・ブレーブス)が受賞した後は途絶えている。イチローが新人王とMVPを受賞したのは19年前、キングの「栄冠」も10年前のことだ。
ただ、これは、それほど長いブランクではない。ボルティモア・オリオールズ、シカゴ・ホワイトソックス、ブレーブスの3球団は、MVPとサイ・ヤング賞のどちらも、20世紀の受賞者が最後だ。
なかには、MVPあるいはサイ・ヤング賞の受賞者が皆無という球団もある。MVPは、タンパベイ・レイズ、ニューヨーク・メッツ、アリゾナ・ダイヤモンドバックスの3球団、サイ・ヤング賞は、テキサス・レンジャーズ、マイアミ・マーリンズ、シンシナティ・レッズ、コロラド・ロッキーズの4球団がゼロだ。
現行のMVPは1931年にスタートした。サイ・ヤング賞は1956年からだ(前年にサイ・ヤングが亡くなった)。一方の受賞者がまだいない7球団のうち、レンジャーズとメッツは1960年代、マーリンズ、ロッキーズ、レイズ、ダイヤモンドバックスは1990年代に誕生した。けれども、レッズの球史は19世紀まで遡る。
サイ・ヤング賞の投票において、レッズの投手が2位に入ったことは、これまでに5度ある。最も惜しかったのはその1人目、1981年のトム・シーバーだ。フェルナンド・バレンズエラとは3ポイント差。1位票は同数だった。ちなみに、この時の3位以降は、スティーブ・カールトン(50ポイント/1位票5)、ノーラン・ライアン(28ポイント/1位票3)、ブルース・スーター(1ポイント/1位票0)。5人のうち、キャリアを通して一度もサイ・ヤング賞に選ばれなかったのはライアンだけ、殿堂入りしていないのはバレンズエラだけだ。
なお、レッズのMVPは、1938年のアーニー・ロンバルディから2010年のジョーイ・ボトーまで10人を数え、ジョニー・ベンチとジョー・モーガンが2度ずつ受賞しているので、延べ12人となる。前者はセントルイス・カーディナルスの13人、後者はニューヨーク・ヤンキースの20人が最も多い。レッズはそれぞれ、3位タイと4位タイに位置する。
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