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最も長くMVPが出ていない球団。34年間の「空白」は史上2番目。過去3年は得票すらゼロ

宇根夏樹ベースボール・ライター
西岡剛 MARCH 11 2008(写真:アフロスポーツ)

 千葉ロッテマリーンズと横浜DeNAベイスターズからは、MVP(最優秀選手)が途絶えて久しい。どちらの球団も、今世紀の受賞者はなし。千葉ロッテは1985年の落合博満、横浜DeNAは1998年の佐々木主浩が最後だ。当時はそれぞれ、ロッテ・オリオンズと横浜ベイスターズだった。

筆者作成
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 千葉ロッテの「空白」は、1986年から2019年まで34年間続いている。これは、史上2番目に長く、横浜DeNAの37年間(1961~97年)に次ぐ。横浜DeNAの場合、1998年に佐々木が受賞し、「空白」が37年間で止まった翌年から、現在の「空白」が始まった。なので、1961~2019年の59年間に、受賞者は1人しかいない。そもそも、この球団でMVPに選ばれたことがあるのは、秋山と佐々木の2人(計2度)だけ。人数も回数も、2005年にスタートした東北楽天ゴールデンイーグルスと並ぶ。東北楽天では、岩隈久志(現・読売ジャイアンツ)と田中将大(現ニューヨーク・ヤンキース)が、それぞれ、2008年と2013年に受賞した。

筆者作成
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 一方、近年の千葉ロッテは「空白」が徹底している。1位票を得たのは、2010年の西岡剛(44票/現・栃木ゴールデンブレーブス)と成瀬善久(1票)が最後だ(順位は3位と13位)。他の11球団には、いずれも2016年以降に1位票を得た選手がいる。しかも、直近3年(2017~19年)の千葉ロッテには、票を投じられた選手すらいない。2位票と3位票もだ。千葉ロッテを除くと、直近3年の得票ゼロは、2017年の東京ヤクルトスワローズと2018年の阪神タイガースのみ。3年連続のみならず、得票ゼロが2度(2年)の球団もない。

 なお、千葉ロッテで、沢村賞(沢村英治賞)を手にした投手はいない。こちらは、12球団で唯一。2014年にオリックスバファローズの金子千尋(金子弌大/現・北海道日本ハムファイターズ)が受賞し、千葉ロッテが取り残された。また、横浜DeNAは、11球団のなかで沢村賞から最も遠ざかっている。1983年の遠藤一彦が最後だ。

[追記:4/10] 各球団最後の新人王について、こちらで書いた。

各球団最後の「投手の新人王」と「野手の新人王」。福岡ソフトバンクは投手が昨年、野手は69年前

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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