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ダルビッシュがMLB最初の単打、二塁打、三塁打を打たれた相手は、いずれもイチローだった

宇根夏樹ベースボール・ライター
左から、ショーン・フィギンス、ダルビッシュ有、イチロー Apr 9, 2012(写真:ロイター/アフロ)

 今から8年前の2012年4月9日、ダルビッシュ有(現シカゴ・カブス)は、初めてメジャーリーグのマウンドに上がった。その試合で、ダルビッシュから最初にヒットを打ったのは、イチローだった。1回表、イチローの打球は三塁後方へ上がり、エイドリアン・ベルトレーが追いかけたものの、シングル・ヒット(単打)になった。

 同じく、ダルビッシュが最初の長打を打たれたのも、イチローだ。2回表にイチローの二塁打が出るまで、マリナーズのヒットはシングルしかなかった。

 ここまでなら、相手が同じ国の打者ということを除けば、そう珍しくない気もする。例えば、松坂大輔(現・埼玉西武ライオンズ)も、2007年4月5日のメジャーリーグ初登板で、最初のシングルと長打(ホームラン)を、どちらもデビッド・デヘススに打たれている。

 ただ、ダルビッシュは、最初の三塁打もイチローに打たれた。それも、初登板ではなく、9登板目の5月21日だ。メジャーリーグで最初に打たれた、シングル、二塁打、三塁打、本塁打のうち、3種類が同じ打者というのは、かなり稀ではないだろうか。

 ちなみに、被本塁打の1本目は4月30日。相手はエドウィン・エンカーナシオン(現シカゴ・ホワイトソックス)だった。また、松坂はエミール・ブラウンマーク・テシェーラに、それぞれ最初の二塁打と三塁打を打たれた。

 この年、イチローとダルビッシュの対戦は11打席を数えた。結果は、11打数6安打(打率.545)。一方、その後(2013~14、17年)の13打席は、13打数2安打(打率.154)だ。2013年以降の対戦13打席中、ヒットは最初と最後の打席しかなかった(シングルと二塁打)。その間は、イチローが11打席続けてダルビッシュに討ち取られた。あるいは、ダルビッシュが11打席続けてイチローを討ち取った。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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