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今オフの「年俸調停」は球団側の7勝5敗。シルバースラッガー&ゴールドグラブの捕手は通算0勝2敗

宇根夏樹ベースボール・ライター
J.T.リアルミュート(フィラデルフィア・フィリーズ)Feb 21, 2020(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 今オフの年俸調停12件のうち、7件は球団の提示額が認められ、5件は選手の要求額が通った。球団側の「勝ち越し」は3年ぶり。この他に8件が、金額をそれぞれ示すところまで進んだものの、調停には至らなかった。

筆者作成
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 J.T.リアルミュート(フィラデルフィア・フィリーズ)が調停で敗れるのは、今回が2度目だ。昨オフは調停を回避し、マイアミ・マーリンズと年俸590万ドルで合意に達したが(翌月にトレードでフィリーズへ移籍)、その前のオフは、両者の金額、リアルミュートの350万ドルとマーリンズの290万ドルのうち、マーリンズの提示額に決まった。

 今シーズンが終わると、リアルミュートはFAになる。ただ、その前にフィリーズと延長契約を交わしそうな気配だ。昨シーズンはシルバースラッガーとゴールドグラブを受賞したように、リアルミュートは打って守れる捕手だ。年齢は来月で29歳。契約を延長するにせよ、FA市場に打って出るにせよ、大型契約は間違いない。

 ちなみに、捕手の契約総額トップ3は、ジョー・マウアーの8年1億8400万ドル(2011~18年)、バスター・ポージー(サンフランシスコ・ジャイアンツ)の9年1億6700万ドル(2013~21年)、マイク・ピアッツァの7年9100万ドル(1999~2005年)だ。それぞれ、契約1年目の年齢(6月30日時点)は、28歳、26歳、30歳だった。

 マウアーとポージーには及ばないかもしれないが、リアルミュートが次に得る契約は、総額1億ドルを超えても不思議ではない。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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