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東京ヤクルトのエスコバーと広島東洋を退団したヘルウェグ、元オリックスのベタンコートに共通するのは

宇根夏樹ベースボール・ライター
ザック・グレインキー(ヒューストン・アストロズ)Sep 3, 2019(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 東京ヤクルトスワローズに入団したアルシデス・エスコバーと広島東洋カープを退団したジョニー・ヘルウェグ、そして、2014年にオリックス・バファローズで18試合に出場したユニエスキー・ベタンコートには、ちょっとした共通点がある。

 3人とも、ザック・グレインキー(ヒューストン・アストロズ)が動いたトレードで、移籍した経験を持つ。2010年12月にグレインキーがカンザスシティ・ロイヤルズからミルウォーキー・ブルワーズへ移った時、ベタンコートはグレインキーとともにブルワーズへ。エスコバーは他3名とロイヤルズへ移籍した。ヘルウェグは2012年7月だ。ロサンゼルス・エンジェルスがグレインキーを獲得し、その見返りとしてヘルウェグら3名をブルワーズへ放出した。

 グレインキーを除くと、これらのトレードで動いた選手は計8人。エスコバーが日本プロ野球で最初の試合に出場すると、そのうちの3人が、メジャーリーグと日本プロ野球のどちらでもプレーしたことになる。

 ちなみに、ベタンコートはグレインキーに対して12打数1安打、エスコバーは12打数5安打だった。ヘルウェグはグレインキーと同じ試合で投げていない。

 残る5人中4人は、2019年もメジャーリーグの試合に出場し、2020年の球団も決まっている。ロレンゾ・ケイン(ブルワーズ)、ジェレミー・ジェフレス(シカゴ・カブス)、ジェイク・オドリッジ(ミネソタ・ツインズ)、ジーン・セグーラ(フィラデルフィア・フィリーズ)がそうだ。今後、彼らが日本プロ野球でプレーする可能性は、現時点では低いものの、エスコバーやオリックスに入団したアダム・ジョーンズの例からすると、皆無とは言いきれない。

 なお、昨年の夏、グレインキーは自身3度目のトレードにより、アリゾナ・ダイヤモンドバックスからアストロズへ移籍した。交換にダイヤモンドバックスへ移ったのは、25歳以下の4人、一塁手&外野手のセス・ビアー、右投手のJ.B.ブカウカスコービン・マーティン、ユーティリティのジョシュ・ロハスだ。マーティンはトレードの前々月、ロハスはトレードの翌月にメジャーデビューした。他の2人は、まだメジャーリーガーになっていない。ダイヤモンドバックスがグレインキーを放出した主な目的は支出削減にあった――アストロズに2500万ドル前後を支払うが、グレインキーの残り契約は7700万ドルだったので、負担額は5000万ドル以上減った――ため、4人のなかに、球界を代表するスーパースターになりそうなトップ・プロスペクトはいない。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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