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【2010年代のシーズン記録/投手編】シーズン防御率1点台は延べ21人。「20勝投手」は田中将大だけ

宇根夏樹ベースボール・ライター
左から田中将大、杉内俊哉、前田健太/2013年のWBC MAR 6, 2013(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

 2011年の田中将大ダルビッシュ有は、防御率1点台、200奪三振以上、18勝以上を揃って記録した。

 彼らを含め、2010年代(2010~19年)のシーズン防御率1点台は延べ21人を数える。田中は3度、ダルビッシュ、内海哲也菅野智之は2度ずつだ。200奪三振以上は延べ14人。則本昂大が4度、ダルビッシュは2度記録した。

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 一方、このディケイドの「20勝投手」は、2013年に24勝を挙げた田中だけ。しかも、18勝以上の他5人は、いずれも2011年に記録した。2014年以降、シーズン18勝以上は一人もおらず、17勝ですら、2017年の菅野しかいない。

 ちなみに、2010年代のシーズン最多敗は、高崎健太郎(2011年)と吉川光夫(2013年)の15敗だ。こちらも勝ち星と同様に、2014年以降は皆無。シーズン14敗も、2017年の石川雅規だけだ。

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 また、清水直行が2010年に記録した防御率5.40は、このディケイドのシーズン・ワースト。規定投球回をクリアした他の延べ259人は、いずれも防御率4.75以下だった。

 ただ、小川泰弘は防御率4.50以上が2度。2016年の4.50と2019年の4.57がそうだ。それらに挟まれた2シーズン(2017、18年)はどちらも防御率2点台だが、規定投球回には達していない。

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 このディケイドにおけるシーズン奪三振率は、ボビー・ケッペル(2011年)の3.67が最も低かった。K/BB1.18もワーストだ。与四球率は、ビル・マーフィー(2010年)の5.25が「最高」。与四球84も最も多かった。

 その他の2010年代シーズン最多は、被安打が石川雅規(2010年)の209本、被本塁打が成瀬善久(2010年)の29本、与死球がブライアン・バリントン(2011年)の18、暴投がルイス・メンドーサ(2014年)の13、ボークはジオ・アルバラード(2011年)の7だ。彼らのうち、アルバラードだけは規定投球回未満。99.1イニングで記録した。

 なお、デニス・サファテが2017年に挙げた54セーブは、歴代のシーズンでも最も多い。さらに、3度の40セーブ以上は岩瀬仁紀の5度に次ぎ、3年連続40セーブ以上は岩瀬と並ぶ。岩瀬は2008年の36セーブを挟み、2005~07年と2009~10年にそれぞれ40セーブ以上を記録した。

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 打撃編はこちら。

【2010年代のシーズン記録/打撃編】200安打以上は秋山翔吾ら4人、40本塁打以上は延べ12人

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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